2020 Fiscal Year Research-status Report
ナノコロイドー高分子コンプレックスに基づく省エネ調湿用ナノ繊維開発
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19K12404
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
清田 佳美 東洋大学, 経済学部, 教授 (60216504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 熟人 明治大学, 理工学部, 専任講師 (50611109)
鈴木 孝弘 東洋大学, 経済学部, 教授 (30192131)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 調湿 / ナノ繊維 / コロイド / 吸着材 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はコロナの影響により入校制限等が多かったため、実験を行うことが困難であった。そのため、研究が大幅に遅れてしまった。本報告書記載の時点で、以下の実績を上げている。まず、粒子サイズ、pH、分散性の異なるシリカナノ粒子(コロイド)について調査を実施し、4種類のコロイドを絞り込んで選定した。各コロイドとポバール水溶液の混合実験によりゲル化の有無を調べた。コロイド粒子が連結したコロイドにおいてゲル化しやすい傾向が見いだされた。コロイド粒子を混合したポバール水溶液を反復凍結融解操作によってゲル化させた。その際、温度操作条件を変化させて行った。この結果、コロイドの組み合わせによってはとても多孔性の高いゲルが形成することを見出した。調湿実験装置を改良し、この改良型の装置を用いて合成したゲルの吸湿、脱湿挙動を観測した。その際、初期の相対湿度を種々調整してデータ取得を試みた。その結果、先に明らかとなったコロイド混合型のゲルにおいて、予備実験で取得しているナノ繊維状のゲルと同等の吸湿性能を示した。脱着速度は遅いことも予備的な実験により確認した。吸湿データを解析するファイルをエクセルベースで作成し、データ評価をする準備を整えた。この一連の調査とは別に、テーパを有するガラスキャピラリーを作成する装置をセットアップし、操作条件とキャピラリーの先鋭化の関係を調べた。二重管ノズルを固定するセルについて3Dプリンタにより種々試作したが、気密性が悪く水漏れするため、モノリシックナセルを作成する方向で旋盤を用いた切り出しによるセルの作成を検討することとした。研究が遅れているため、ナノ繊維の調湿特性評価については、静電防止法によるナノ繊維の合成を行って、これを用いて調湿性能を評価を並行して行うこととし、高電圧電源の選定と調達を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルスの影響により、実験施設に赴くことが制限された期間が非常に長かったこと、実験が困難な状況が長かったため大幅に遅れている。この状況は共同研究先も同様で全体的に進捗が遅れてしまった。年明け後、一部計画変更して予定を達成するように努力している。
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Strategy for Future Research Activity |
申請当初の計画をすべて遂行する時間をかなり失ってしまったことから、ナノ繊維を作成する研究課題と、ナノ繊維の調湿性能を評価する課題を分けて、すでに実績がある静電紡糸法を適用してナノ繊維を合成しこの繊維を用いた調湿性能評価を行うこととした。今年度、コロイドを複合した多孔性ポバールの吸湿性能がとても高いことを確認できたので、繊維構造における性能評価を進める。一方、当初計画にある二重管ノズルを用いた繊維合成装置の施策と繊維合成の試みは予定通り進めることとする。二重管ノズルを用いたナノ繊維合成の可否にかかわらず、コロイド複合ナノ繊維の性能評価に関する成果は確保できると考えている。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により学会発表がキャンセルされたことによる。次年度の学会発表費用に使用する計画である。
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