2020 Fiscal Year Research-status Report
Ecological and biological evaluation of plant pathogenic microorganisms in polar regions
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19K12421
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| Research Institution | Osaka Prefecture University |
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Principal Investigator |
東條 元昭 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (90254440)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 植物病原菌 / 極域 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
極地植物病原菌の研究の主要な課題は、1)極地には地域固有の植物病原菌種が多く生態や宿主植物への影響が未解明なこと、2)耐凍物質産生など遺伝子資源としての有用性が有るが、ほとんど明らかにされていないこと、3)極地の急激な温暖化が植物病原菌に及ぼす影響が不明なこと、の3つである。これらの解決には野外調査を中心とした長期的な研究が不可欠であり、さらに近年の植物病理学の最新技術を応用することが有効である。本申請課題の目的は、１)日本北極基地近傍の１か所のコケ類等の自然植生地をモデルとして、2003年から2018年まで1～2年毎に実施してきた植物病原菌の定量的調査を継続し、北極における植物病原菌の20年間の消長を明らかにするとともに、２)これまでに独自に収集した北極・南極産植物病原菌について、自然環境への影響や産業への有用性を室内実験明らかにすることである。本年度は、当初予定していたスピッツベルゲン島での調査が新型コロナウイルスの影響で中止になったが、平成28年にスピッツベルゲン島ニーオルスンのコケから分離した糸状菌、および同年度にカナダ・クジュアラピックのコケから分離した糸状菌について同定結果の取りまとめを行うとともに一部の成果を公表した。これらの成果の内、スピッツベルゲン島での調査結果についてはカギハイゴケに感染性を有するGlobisporangium属菌についてそれらの経年変化を過去15年間のデータと合わせて解析し、一部の菌種が生息数を減らしていることを明らかにした（Fujii and Tojo）。クジュアラピックについてはハマエンドウおよびツヤゴケの一種からから雪腐病を起こす糸状菌に近縁な2種を分離し、それぞれTyphula sp.およびGlobisporangium sp.として同定した（Hoshino et al. 2020）。また既報のデータを総説として取りまとめ学術誌で公表した（東條2020、Hirawake et al. 2020）。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は当初予定していたスピッツベルゲン島での調査が新型コロナウイルスの影響で中止になったが、これまでに同島ニーオルスンおよびカナダ・ケベック州北部のコケから分離した糸状菌について同定や凍結耐性調査等を行った。その成果をとりまとめ、学術誌（東條2020、Hoshino et al. 2020、Hirawake et al. 2020）と国際シンポジウム（Fujii and Tojo 2020）で公表した。また、2018年にニーオルスンに滞在して分離した卵菌5種についてバーコード遺伝子による種同定確認を行い、カギハイゴケに対する感染性を確認した（Tojo et al.、論文準備中）。
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| Strategy for Future Research Activity |
2003年から2018年まで1～2年毎に実施してきた植物病原菌の定量的調査を継続し、北極における植物病原菌の20年間の消長をより明確にする。同時に、これまで
に独自に収集した北極・南極産植物病原菌について、自然環境への影響や産業への有用性を明らかにするため、培養試験、遺伝子解析および接種実験を行う。
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| Causes of Carryover |
令和2年度は、当初予定していたスピッツベルゲン島での調査が新型コロナウイルスの影響で中止になった。次年度（あるいは新型コロナウイルスの収束状況により次々年度）に同島での調査を行う計画である。
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[Journal Article] Response of Arctic biodiversity and ecosystem to environmental changes: Findings from the ArCS projects2020
Author(s)
Toru Hirawake, Masaki Uchida, Hiroto Abe, Irene D. Alabia, Tamotsu Hoshino, Shota Masumoto, Akira S. Mori, Jun Nishioka, Bungo Nishizawa, Atsushi Ooki, Akinori Takahashi, Yukiko Tanabe, Motoaki Tojo, Masaharu Tsuji, Hiromichi Ueno, Hisatomo Waga, Yuuki Y. Watanabe, Atsushi Yamaguchi, Youhei Yamashita
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Journal Title
Polar Science
Volume: xx
Pages: xx-xx
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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