2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K12434
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉本 賢二 大阪工業大学, 工学部, 講師 (70596858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 祐樹 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 准教授 (60600054)
奥岡 桂次郎 岐阜大学, 新学部設置準備室, 准教授 (90714436)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 建築物面積 / 夜間光 / SAR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,人工衛星による観測データを用いて,建築物ストック量の推計モデルを構築することを目的としている.2020年度は,前年度に引き続き,建築物,夜間光,PALSARといった各種データの収集を行うとともに,推計モデルの対象地域を日本全国に拡張して精度等を検証した.結果として,推計モデルについては,関東地方と同様に説明変数のうち夜間光の寄与度が高くなっており,さらに,SARは送受信偏波が水平(H)となる偏波がt値が低い値となった.これは,水平偏波(H)が持つ,垂直偏波(V)よりも地物に反射しにくい特性によるものであると解釈できる.また,推計されたモデルを適用した結果より,東京や大阪などの高層建築物が密集する都市部では誤差率が小さい傾向にある一方で,都心より離れた郊外では誤差が大きくなる地域がみられた.とりわけ,後者の地域を航空写真や土地利用で確認すると,沿岸部の工業地帯では過大推計となり,沿岸部や河川,湖などの水部周辺では過小推計になっていることが明らかになった.沿岸部では,工場操業に起因した光の発生があることから,衛星データから推計される建物面積よりも過小になっていると考えられる.加えて,ビニールハウス等の農産物を栽培している地域では夜間光の輝度が高くなっているため,業種に起因した誤差もあった.以上のように,日本を対象としたモデルの構築と検証を行い,国外の都市への適用に向けた課題を示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従い,データ収集やモデルの構築及び精度検証を行っており,海外の都市で適用・検証する素地ができている状態である.しかし,新型コロナウイルス感染症の影響により,結果の解釈について分担者との定期的な研究打ち合わせがおこなえていない状態である.また,学会等も中止,延期されており,他の専門家による成果の精査である論文等の発表に向けた準備を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,日本全国を対象とした推計モデルの誤差等の精査・検証を行うとともに,日本モデルを海外に適用し建築物面積の空間分布を推計し,本研究課題の有効性を評価する.得られた成果は学術論文として成果報告ができるよう,とりまとめる.
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Causes of Carryover |
当初計画では,分担者との定期的な研究打ち合わせや海外で開催される学会への参加費等を計上していたが,出張自粛により打ち合わせを行うことができず,学会が中止されたため計画通りの支出が行われなかった.成果報告を学会発表から論文投稿にシフトして実施するよう計画変更を行っていたが,次年度使用額が生じた.2021年度は,当初の計画から変更し,英語論文の投稿に向けた校正等に項目を中心として支出を行う.また,打ち合わせや学会発表がオンラインを中心として実施されることから,旅費等で余剰が生じた場合には,返還も含めて早期に検討する.
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Research Products
(3 results)