2022 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of gaming workshop for co-creation of energy policy
Project/Area Number |
19K12440
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 研悟 筑波大学, システム情報系, 助教 (50634169)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゲーミング / 電力システム / エネルギー政策 / 科学技術コミュニケーション / エネルギーシステム工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
■ 2022年度の実施内容 1.対面授業におけるゲーミングの学習効果の評価:2つの大学において,開発したゲームを用いる対面授業を行った.これらの授業をワークショップに見立て,(1) 参加者に政策課題を伝えることができたか,(2) 授業の前後で政策課題に対する考え方がどの程度変わったか,(3) エネルギー・環境政策に関わるアイデア創出につながったかを評価した.(1)については,政策課題への理解が深まったことがレポートから読み取れた.(2) については,政策に対する考え方はほぼ変わらなかったことが分かった.(3) については,課題への理解を深めることに時間を要しアイデア創出には至らなかった. 2.ゲームの出版:実践を通じて見つかった改善点を精査した上,開発したボードゲームを自費出版し,研究期間終了後も活用できる体制を整えた.完成したゲームの学術的価値は高く評価され,第3回全日本ゲーミフィケーションコンペティション(新作作品部門)にてグランプリを受賞した.また,完成したゲームによるヒアリングの結果,エネルギー会社における研修・インターンシップへの活用や,複数の教育機関における教育活動への採用が検討されている.様々な社会的制約により,新ゲームについての論文を完成できなかったものの,投稿準備を着実に進めている。 ■ 研究期間全体の成果 (1) ゲーミングが,政策課題間の複雑なトレードオフの理解や,社会全体でコンセンサスを形成する能力・態度の養成に役立つことを実証的に示した.(2) 既往ゲームの実証的評価を基盤として,最新の政策課題を織り込んだ新しいボードゲームを開発した.開発したゲームが最新の政策課題をうまく表現できていることを確認した.(3) ゲーミングは,政策検討の前提となる課題への共通理解を深める段階において,もっともその威力を発揮することが示唆された.
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