2022 Fiscal Year Research-status Report
地域住民の生計維持・権利の保障と森林保全が実現可能な慣習林政策の検討
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19K12442
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原田 一宏 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00372087)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インドネシア / ブータン / 森林政策 / 生計 / 権利 / 落葉採集林 / ソクシン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、小課題1と2に関して、インドネシアとブータンにおいて現地調査を実施した。インドネシアに関しては、スマトラ島のリントンとクリンチにおいて、調査を実施した。リントンでは慣習林をめぐり、企業と地域住民の衝突の経緯についてNGOのスタッフ及び地域住民への聞き取りをもとに明らかにした。クリンチでは、住民が慣習林を保全している一方、今でも国立公園内に違法に侵入し、森林資源を利用していることが明らかになった。バリ島では、住民が政府からの許可を得て、森林を管理し、エコツーリズムを推進するとともに、森林内でコーヒーを栽培し、現金収入を得ていることが明らかになった。ブータンに関しては、政府による慣習林の理解や資金の不足が原因で、政府による慣習林の統制が不十分であることが明らかになった。また、ネパールにおけるコミュニティフォレストリ―やサイエンティフィックフォレストの実態についても現地調査で把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、コロナの影響が少なくなり、当初予定していた通りの現地調査を実施することができ、データを収集することができた。また、調査結果をまとめ、それらの成果を学会で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる今年度は、昨年度の調査をもとに投稿論文や書籍として公表するとともに、全期間を通じて実施してきた研究成果を振り返り、今後書籍などとしてまとめることも検討する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により、当初行おうと思っていた調査研究がすべて行うことができなかったために、次年度に延長することとした。
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