2019 Fiscal Year Research-status Report
Building a science-policy interface to achieve the Sustainable Development Goals: A case study from forest sector
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19K12467
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
森田 香菜子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70599125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健一 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (00534570)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 持続可能な開発目標(SDGs) / 科学・政策インターフェース(SPI) / 森林 / 制度 / 行為主体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、複合的な持続可能な開発目標(SDGs)達成の視点から、森林分野の事例を用いて、SDGs達成のための科学・政策インターフェース(SPI)の課題及びSPI構築の可能性を明らかにする。SDGs達成においては、各目標の達成という視点だけでなく、多様な目標間で横断的に問題を解決することが必須であるが、その代表的な例がSDGs目標15に含まれる「森林の持続可能な管理」である。森林分野の対策は、同目標下の生物多様性保全などのターゲットだけでなく、目標6(水と衛生)、目標7(クリーンエネルギー)、目標13(気候変動対策)などの環境関連目標・ターゲットと関係している。さらに、途上国では、目標1(貧困撲滅)、目標2(飢餓撲滅)などの開発関連目標・ターゲットとも強く関係する。この森林に関わるSPI(科学的知見創出からSDGs達成のための知見の活用に至るプロセス)に関わる国際・国内制度や行為主体の役割や影響を分析する。 2019年度は、SPIに関わる国際・国内制度や行為主体の役割や影響を分析するためのデータ収集や分析枠組作りを行った。森林分野のSPI関連の制度や行為主体に関する情報を、文献や関連機関(国連関係機関を含む)へのインタビュー等を通じて収集した。また、Boecher & Krott(2016, DOI 10.1007/978-3-319-34079-1, Springer)の知識移転の研究・統合・活用(RIU)モデル(研究:科学的な知見創出、統合:科学・活用双方向での研究の問いと結果の選定、活用:行為主体の科学的助言の活用)を基にSDGs達成のためのSPI構築における制度や行為主体の課題を分析するための枠組を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度に国際レベル、2021年度に国内レベルの森林分野のSPIに関わる制度や行為主体の課題を明らかにするが、その分析に活用するデータ収集や分析枠組作りを2019年度で実施することができた。研究計画通りに進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に収集したデータなどに、構築した分析枠組を適用して、2020年度は国際レベルの森林分野のSPIに関わる制度や行為主体の課題を明らかにする。森林分野のSPIに関わる国際制度は、国連気候変動枠組条約、生物多様性条約、国連森林フォーラムなど、行為主体は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)、国連食糧農業機関(FAO)、国際森林研究機関連合(IUFRO)などを対象とする。
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Causes of Carryover |
2020年度に、本研究において重要な国際会議が多く開かれることになったため、次年度に研究費を使用することとした。生物多様性条約の補助機関会合及び締約国会合、 国連食糧農業機関の会合、国連気候変動枠組条約関連会合への参加のための旅費などに活用する。
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Research Products
(4 results)