2021 Fiscal Year Research-status Report
Comparative study on commercialization of subsistence products in the Mongolian Plateau
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19K12478
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
尾崎 孝宏 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (00315392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風戸 真理 北星学園大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (90452292)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 牧畜戦略 / ポストコロナ / 古地名 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、COVID-19のパンデミック状況が継続したため、研究代表者・分担者による現地調査が遂行できなかっただけでなく、現地研究者である研究協力者に現地調査の代行を依頼することも実質的に困難であった。辛うじて、モンゴル国に在住するインターネットが利用可能な既知の調査世帯に対して、Zoomなどの遠隔会議システムを利用して彼らの牧畜戦略の現状や変化をインタビューすることができた。その成果は「中国=モンゴル関係のメタファーとしてのコロナ」として発表したが、特殊状況への対応事例であるため、これがポストコロナ状況へ引き続く恒久的な変化と理解すべきか、あるいは一時的な対応であるかは今後の評価が必要である。 現地調査による最新データの収集が困難であったため、既存データの見直しに基づく英語での研究発表(“Comparison of pastoralists’ pastoral strategies in the Mongolian Plateau”)や論文公開(“Introduction: environmental disaster in Mongolian modern history”)を積極的に実施した。特に前者については、移動を伴わずに国際学会に参加できる昨今の状況を利用しており、パンデミック状況の逆利用であるといえる。 また内モンゴルでの現地調査は、COVID-19のパンデミックとは別に政治的事情により困難が継続することが予想されるため、1930年代から50年代にかけての過去の調査データについて詳細な位置情報を付与し、過去から現状への変化プロセスを明らかにする作業に着手した。特に内モンゴルでは地名データの変更が顕著であるため、古地名のリストを作成するため旧日本軍作成の外報図や旧ソ連作成の地形図を収集し、分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
いくつかの代替手段は講じているものの、現状を明らかにするための現地調査データ収集がCOVID-19のパンデミック状況により十分に行えていない点は否めない。 一方で、パンデミック状況を逆手に取った国際会議への参加や、英語論文の公開については、当初の予定を上回る成果を得ている。 また、詳細な変化プロセスを明らかにする手段としての古地図を利用した古地名の研究は、元々はパンデミック状況でも可能な研究対象として選択されたものであるが、実際に着手した結果、今後の展開が期待できる研究テーマであることが明らかになった。 本研究は本年度が最終年度であったが、現地調査データ収集の可能性を模索するため、1年間の研究期間延長を申請した。ゆえに「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究期間延長後の最終年度となる。現状としては現地調査データ収集の可能性が開かれつつあるため、夏季にモンゴル国において現地調査を実施し、パンデミック前の牧畜戦略との比較が可能なデータ収集に努め、本研究としての一定の結論を得たい。
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Causes of Carryover |
2年連続のCOVID-19パンデミック状況の影響により、現地調査データ収集の実施がかなわなかったため、次年度使用額が生じた。そのため次年度は、モンゴル国において現地調査データ収集の実施を行う予定である。
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Research Products
(7 results)