2020 Fiscal Year Research-status Report
Sustainable Development Goals and Areas Already Left Behind-For Localization of International Goals
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19K12492
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
堀江 正伸 武庫川女子大学短期大学部, 英語キャリア・コミュニケーション学科, 教授 (70806819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 良成 桃山学院大学, 国際教養学部, 准教授 (30647318)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インドネシア / 持続可能な開発目標(SGDs) / 開発支援 / 人道支援 / 非伝統的安全保障 / 西ティモール / ティモール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究2年目の2020年度は、新型コロナ感染症の影響で8月にインドネシアで予定していたフィールド・ワークを中止とせざるを得なかった。情報の大半をフィールド・ワークにより収集しようとする本研究の進捗には、痛手となった。予定では2021年3月までの研究であるが、少なくとも1年間の延長が必要な状況である。 しかしながら、文献研究は進めた。また1年目(2019年4月~2020年3月)の研究成果を執筆、発表する時間をとることができた。具体的には、論文2編、学術書の分担執2章分、研究会での発表2件である(査読や出版時期の関係で出版が2021年度となるものがある。それらは「10. 研究発表」に記載していない)。 その中で、インドネシアにおけるSDGsの進展とアジア地域での安全保障、特に非伝統的な安全保障とを結びつける研究を特に力を注いだ。調査地は、2002年に国際社会の支援を受けて独立した東ティモールに隣接している。独立に関わる支援や平和構築支援が東ティモールに集中して行われるが故に、西ティモールは「支援により」さらに取り残されているのではないかという仮説を立て研究を行った。 さらに西ティモールには東ティモールより逃れた難民がいるが、彼らは国際的な難民保護より外され、10数年に渡り自助努力のみで生活してきたのである。彼らは、国際政治やSDGsを目標に掲げる開発支援から、最も取り残されている人々であり、3年目にはより詳しい現地調査を行いたい。 また、東ティモール側を研究地とする研究者とも連携を取り始めたのは、大きな成果であった。「国境」という概念から脱することのできない支援政策は、どのように進めるべきなにかという新たな研究テーマも生まれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1年目(2019年4月~2020年3月)の成果は、本年度中に論文や研究発表の形で報告まで終了した。しかしながら本研究は情報収集のほとんどをインドネシアにおけるフィールド・ワークより得ようとしており、2020年度に現地調査が行えなかったことで研究計画が大幅に遅れてしまったのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年にフィールド・ワークが行えなかったことで若干のメリットもあった。それは、1年目の成果を詳細にまとめることで生まれた新たな課題もある。それは勿論本研究の最重要テーマであるSDGsと関連するが、安全保障政策の要素を含んだ課題である。 研究地に隣接する東ティモールでは、平和構築の元でガバナンス支援、人道支援、開発支援を含むさまざまな支援が行われてきたが、西側では支援が全く行われて来なかったのが現状である。 平和構築支援での最新の支援は、民主的な平和構築に加えて、ローカルな社会の事情を考慮するという「ハイブリッドな平和構築」が最新の議論となっている。しかし、それは新たに独立を果たした国の国内が研究対象とされてきた。ローカルな社会が考慮されるべきであるならば、旧植民地政策により設定された国境で区切って平和構築を行うことへの問題も指摘されるべきであるとの発想に至った。 3年目には、インドネシアにおけるSDGs支援がどの程度ローカルな社会に影響を与えているのかを検証し、また支援によりさらに取り残された人々がいるのではという仮説に基づいて研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
本研究はインドネシアでのフィールド・ワークより得られる情報を基礎としている。フィールド・ワークは、2019年度、2020年度、2021年度の3回を予定していたが、2020年度は新型コロナ感染症の影響によりフィールド・ワークが行えなかったため繰越金が発生した。2021年度にインドネシアへの渡航が可能となりしだい、2回のフィールド・ワークを行う予定である。
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Research Products
(2 results)