2019 Fiscal Year Research-status Report
トランスナショナルな老親介護と老後生活―中国朝鮮族の事例から
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19K12504
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宮島 美花 香川大学, 経済学部, 教授 (70329051)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分散家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、研究計画のとおり、以下の文献調査を行った。(1)老親介護に関する日中韓の制度研究を把握する。(2) 朝鮮族の老親介護に関する先行研究の整理を行う。 また、調査方法の検討を行った。個別具体的でありながら、その実、集団的な特徴を把握する手段として、質的調査のなかでも生活史の聞き取り調査の方法を採用する。生活史研究では、主観的な世界の了解を通じて、その背後にある隠れた制度、当事者が必ずしも気づいていないのに、人々の行為や態度を拘束している規範やルール、あるいは権力や支配の構造にたどり着くことも可能である。しかし、統計処理を行う量的調査に比べ、この調査は調査者の調査スキルや調査環境などに調査結果が左右されやすい。そこで、質的調査方法を精査し、留意点を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、初年度として計画したとおりの文献調査を概ね行った。文献調査としては、研究計画のとおり、まず、(1)老親介護に関する日中韓の制度研究、(2) 朝鮮族の老親介護に関する先行研究を読み、整理を行った。 また、調査方法の検討を行った。個別具体的でありながら、その実、集団的な特徴を把握する手段として、質的調査のなかでも生活史の聞き取り調査の方法を採用する。生活史研究では、主観的な世界の了解を通じて、その背後にある隠れた制度、当事者が必ずしも気づいていないのに、人々の行為や態度を拘束している規範やルール、あるいは権力や支配の構造にたどり着くことも可能である。しかし、統計処理を行う量的調査に比べ、この調査は調査者の調査スキルや調査環境などに調査結果が左右されやすい。そこで、質的調査方法を精査し、留意点を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画のとおり実行したい考えである。2020年度は、2019年度に着手した(1)文献調査および(2)調査方法の検討、を更に進めると同時に、(3)朝鮮族への生活史の聞き取り調査、調査後のインタビュー・テキスト作成を行う。新型コロナウイルスの影響が長引き、中国に渡航できず、中国現地での朝鮮族への聞き取りを行うことができない場合には、日本在住の朝鮮族にインタビューを行う。
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Causes of Carryover |
購入した商品代金の端数により、数千円程度の未使用額が出た。
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