2021 Fiscal Year Research-status Report
Exclusion and inclusion of the marginalized communities-Creation of social agency in the post conflict Colombia
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19K12511
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
幡谷 則子 上智大学, 外国語学部, 教授 (00338435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千代 勇一 帝京大学, 外国語学部, 准教授 (90806382)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 辺境 / コロンビア / コミュニティ / 地域 / 紛争 / 社会的主体 / 脱開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も新型コロナ禍の影響で、海外への渡航制限が続き、調査出張や、海外からの研究者招聘の実現はならなかった。Arturo Escobar教授の招聘企画に代わり、2022年に向けて、オンライントークセッションの交渉を進めた。 2022年度の最終報告書執筆をめざして、研究分担者の千代勇一、協力者の近藤宏、柴田修子、松丸進の各氏を交えたオンライン研究会を年間計7回実施した。各回のテーマは次のとおりである。5月8日「エスコバル読書会:第5章(幡谷)、第6章(松丸)(2020年度からの継続」、6月18日「コロンビア辺境研の論集の構想について(幡谷)」、8月2日「脱辺境化するマグダレナ・メディオ地域:入植者たちの生存戦略(千代」、9月24日「ボリバル県南部地域の開発と抵抗の歴史(幡谷)」、12月1日「ナリーニョ県トゥマコにおける貝採集女性生業の現状について(ハベリアナ大学、David Burbano教授)」(コロンビアとオンライン接続)、2月24日「Desplazadosの「歴史/系譜」(本研究プロジェクトの成果報告論文のアイデア)(近藤)」、3月24日「”辺境”における麻薬対策の政治性:コロンビアにおける違法作物をめぐる排除と包摂(千代)」。 このほか6月には新型コロナ危機下のコロンビアにおける全国ストの状況をもとに、幡谷が2回講演を行った。11月のラテン・アメリカ政経学会では「市民が求める国家像―政治不信下のラテンアメリカを展望する」と題されたパネルにおいて、幡谷が「和平後に深まる社会の分断」というタイトルで、コロンビアの辺境地における暴力の問題をとりあげた。このほか、フィールドワークの代替活動として、調査地のインフォーマントおよび研究協力者Miguel Fajardoと1月に2回、3月に2回、オンラインにて情報収集や最近の状況に関するヒヤリングを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で海外渡航が不可能であり、現地調査が実施できなかった点で、フィールド調査による現地での資料収集と現地での実態見聞、インタビューなどの実施ができなかった。この点で、実証分析の点では当初予定していた計画通りには進んでいない。しかし、最終年度である次年度に状況が好転すれば、現地調査の実施も検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の2022年では、成果報告の中間段階として、2022年6月開催予定の日本ラテンアメリカ学会にコロンビアの辺境研究に基づくパネル報告をエントリーしている。また、同じく5月オンライン実施予定のLASA(Latin American Studies Association)にも、幡谷担当のチョコ県アトラト川中流域およびボリバル県南部の辺境地域の歴史の振り返りから今日の社会的排除の現状を見直すテーマに基づいて報告予定である。次年度は最終報告書を学会誌などへの投稿、またはEジャーナルの特集あるいは書籍としての刊行につながる執筆とりまとめを主に活動予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍でコロンビアへの調査渡航を実施することができなかったため。また、当初予定していたEscobar教授の招聘旅費の計上分を実施することができず、代替者による招聘企画の実現も難しかった。なお、同教授は次年度オンラインセッションの企画が動いており、こちらに参加予定である。 最終年度である次年度に渡航制約が緩和されれば、コロンビアへの現地出張を千代および幡谷が実施予定である。あるいは最終報告の執筆状況が早めに進展すれば出版費としても検討したい。
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Research Products
(4 results)