2023 Fiscal Year Annual Research Report
日本とインドネシアにおけるケアの循環―移民家族のウェルビーイングの実証的研究
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19K12512
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
合地 幸子 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (60836542)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インドネシア / 日本 / 移住労働者 / ケア / ウェルビーイング |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度までに実施してきた国内調査およびインドネシア現地調査の結果をまとめ、口頭発表および論文を投稿する準備に着手した。また、申請者が所属する学会および関連する研究会等へ出席し、近年の学術的動向に関する情報交換もおこなった。 2023年5月には白山人類学研究会にて、インドネシア現地調査のデータに基づき「グローバルケアチェーンの末端の今」に関する口頭発表を行った。具体的には、病を患う高齢者と子が移住している親子の事例を提示し、子の不在中に高齢者のケアが地域の人びとによってなされているインドネシア的な高齢者の「見守り」ネットワークの仕組みを報告した。報告では、近年の社会変化により、この「見守り」ネットワークが縮小あるいは限定的になっていることを明らかに、ケアの担い手の変化に関して多角的な視点から議論した。議論を通して得られた知見は成果報告に反映する予定である。 また、研究期間全体を通して実施した研究の一部として、インドネシアにおける地域保健活動を事例とした現地調査の成果を論文としてToyo University ACRI(Asian Cultures Research Institute) Research Paper Seriesへ投稿した。本論文は、病、ケア、ワクチン接種、高齢者をキーワードとして、地域保健活動の持続可能性および調査地における高齢ケアを取り巻く課題や展望を考察したものである。本論文では地域保健活動が継続的に実施されていくために、また、高齢者ケアの現代的な意義を考えるためにも、本調査地を超えた地域外からの支援および地域住民の連携の強化が必要であることを明らかにした。なお、投稿論文の内容に基づいた動画を作成し広く一般へと公開した(東洋大学アジア文化研究所SDGs動画公開「ACRI for SDGs,TOYO University」Vol.4(2月))。
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Remarks |
東洋大学アジア文化研究所SDGs動画公開「ACRI for SDGs,TOYO University 」Vol.4(2月配信)
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