2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Transformation of Human-Environmental Relations in Socialist Mongolia
Project/Area Number |
19K12516
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
冨田 敬大 神戸大学, 国際文化学研究科, 特命助教 (80609157)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 牧畜 / 産業化 / 食料生産 / 自然災害 / 資源利用・管理 / 都市・地方関係 / 社会主義 / モンゴル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、社会主義体制下のモンゴル国における人間=環境関係の特徴とその変容を、都市・工業化に伴う人口動態(人口の増加、都市・地方間の人口移動)、農畜産物の商品化・市場化、資源利用・管理システムの変容との関連に着目して明らかにすることにある。2022年度は、新型コロナウイルス感染症に伴う渡航制限が緩和されたことを受けて、約三年ぶりにモンゴルで現地調査を実施した。畜産物の商品化・市場化が、家畜飼育と畜産物利用に及ぼした影響を明らかにするために、ボルガン県セレンゲ郡とテシグ郡で旧組合員等への聞き取り調査を実施し、過去の調査データとの対照を行った。一方、『家畜資産台帳』と『土地利用計画書』の収集・分析については、2022年夏時点で新型コロナの影響が依然として大きく、国立中央文書館と同館ボルガン県分室での資料調査を実施できなかったため、文献研究および既収集資料の分析に注力した。特に農牧業協同組合のもとでの土地利用の実態について、科学アカデミー地理学研究所の牧民の移動に関する研究成果と、ボルガン県オルホン郡の土地利用計画書の内容分析および旧組合員への聞き取り調査の結果をつき合わせて検討し、両者の差異がもつ意味について検討した(3月に北海道大学のセミナーで口頭発表を行い、『沙漠研究』に投稿した)。また、本年度に始まった科研費・基盤研究Cの内容と重複するが、社会主義期のゾドの影響と対応について、集団化以降の社会・経済状況に着目して検討した(5月に日本モンゴル学会春季大会で口頭発表を行った)。 研究成果の公表については、図書の刊行、学術誌への投稿、国際会議、国内学会、セミナー・研究会等での発表を積極的に行った。一方、新型コロナの影響で、当初計画していた現地調査の多くが実施できなかったが、すでに収集した資料の分析をもとに最終成果報告書を作成し、単著として刊行する作業を進めた。
|
Research Products
(8 results)