2020 Fiscal Year Research-status Report
殉職兵士の扱いと安全保障政策への影響:東南アジア諸国の比較研究
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19K12519
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Research Institution | Miyazaki International College |
Principal Investigator |
安富 淳 宮崎国際大学, 国際教養学部, 准教授 (50704673)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 殉職 / 兵士 / 海外任務 / 国民支持 / 安全保障 / 東南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
東南アジア諸国の各国政府が殉職兵士をどのように扱い、それが、とりわけ対テロ対策や国連PKOなどの軍の新たな任務付与や安全保障政策の形成にどのような変化をもたらしてきたか。また、各国に異なる特徴がみられるとすればそれはなぜか、との問いのもと、東南アジア諸国4カ国を対象として比較研究を実施した。3 年研究の第2年目として、以下を実行した。 ① 文献研究:以下の各分野において先行研究を検証した:(a) 殉職と安全保障政策に対する軍への支持・世論形成に関する理論、軍組織文化に関する理論、(b) 戦死・殉職に関するケーススタディ(イスラエル、米国の事例を中心とした比較事例研究)、(c) 軍の海外派遣、(d) 東南アジアにおける民軍関係。 ② 専門家・関係者とのインターネットを利用した聞き取り調査および意見交換:新型コロナウィルス感染予防措置により、2020年度に計画していたと東南アジアにおける現地聞き取り調査が不可となったため、東南アジア対象4カ国(フィリピン、インドネシア、タイ、シンガポール)、米国を含む主要国の専門家とインターネットを利用した聞き取り調査を実施した。 ③ インターネットによるセミナー、学会大会、講演への参加:国内学会大会、国内外のシンクタンクおよび大学が開催したウェビナーや講演に参加し、質疑応答やパネリストとのディスカッションにおいて、研究データの一部を共有しながら議論を行った。また、国際シンポジウム(トルコ・TOBB大学主催(オンライン)2021年3月26日開催)において、軍の海外任務・海外派遣、国民保護という観点から上記文献研究の成果一部を発表した。 ④ 出版実績:"When Soldiers Speak Out against Their Own Military", Res Militaris, Vol. 10, No. 1, 2020, pp. 1-21.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までの研究進捗は、「やや遅れている」と自己評価する。その根拠として以下を挙げる。 ①1年目に引き続き、本研究テーマに関する基礎資料の収集および理論的考察を実施した。欧米の事例を基盤に、兵士の殉職および国民世論・外交安全保障政策に対する国民支持 の関係に関する先行研究を整理し、アジアへの援用性に関する検証を実施した。 ②国際シンポジウム(2021年3月)にオンライン出席し、文献研究の研究成果の一部を発表した。また、オンラインによる国内外の学会および研究会(例えば、2020年8月7日、10月23日、11月28日、2021年3月7日など)に出席し、本研究テーマに関連する情報収集を行った。③戦死・兵士の殉職に関して国外の専門家からの聞き取り調査をオンラインで実施した。④他方で、2020年度新型コロナウィルスが全世界的に拡大し、海外研究出張による聞き取り調査や関連箇所(殉職記念碑等)の訪問等が不可能となり、研究対象国におけるデータ収集が限定的とならざるを得なかった。また、出席を見込んでいた国内外の学会大会は一部ウェブ開催された以外は、延期あるいは中止となったため、研究発表の機会が限定的となった。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目(2021年度)は、新型コロナウィルスの世界的拡大により、研究対象地である東南アジア諸国を含めた諸外国への渡航制限解除の見通しが立たないなか、引き続きオンラインによるインタビューを継続し、事例研究のデータ収集を実施する見込みである。同時に、オンラインによる学会大会や研究会の出席の他、各研究者とのメールやSNS等を介しての議論を活発に実施することによって対応する。なお、渡航制限緩和や諸事情を勘案して渡航可能と判断された場合は、関係機関から合意を取り付けた上で、上記対象国に海外渡航を行い、聞き取り調査を含むデータ収集を実施する見込みである。
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Causes of Carryover |
第2年次に見込んでいた旅費に関しては、新型コロナウィルス拡大による渡航規制により、支出が不可となったため、本年度の支出は、物品購入および研究関連書籍購入のみとなり、616,803円の残額となった。同額を次年度に繰越し、海外渡航の旅費、物品購入および研究関連図書購入に充当することを見込んでいる。
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Research Products
(2 results)