2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on sustainable local management in aging fishing communities
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19K12532
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
吉野 馨子 (谷垣馨子) 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (70448918)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 漁村 / 高齢化 / 三陸 / 地域資源 / 再評価 / 共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2019年度は、日常生活での資源利用の実態の把握とともに、地区に関わる人たちが共に楽しみ地区の良さを再認識できるような以下の働きかけを行った。 (1)調査地区での食に関する生産と消費のあり方を日々の食生活から捉えた。親戚や隣近所等から農水産物が日常的にやりとりされていること、「お茶っこ」をとおし共食等食のやりとりの様子が明らかとなった。 (2)地区の歴史ある建築物及び街並みの実測に学生も参加し、リーフレットにまとめた。コロナ禍のため地区との共有はペンディング。 (3)地区のもつ資源の再評価に関するアクション:①「浜祭り」において写真展と街歩きのスタンプラリーを実施した。昔の懐かしい写真を見に高齢者の方々が来てくれるとともに、若い人が自分の知らない地区の様子を興味深そうに見たり聞いている光景もあった。スタンプラリーではスタンプの作成やスタンプポイント等に地元の人の協力を求めた。子供づれの家族、子や孫が里帰りしている家族、地区外のボランティアの人などが参加し(31人)、商店は久しぶりの多くの利用客を喜んでいた。買い物過疎が進む中、地元商店の存在を広く確認してもらうこと、また地区でどのように支えていくかを考えることが重要であると考え、そのきっかけとなることを期待している。またスタンプラリーのマップを観光客への地区案内に活用したいという案も地区より上がってきた。 ②地区の特産品、サツマイモを取り上げた企画:調査地区は漁村であるが波風に強い食材として導入されたサツマイモは、土質、日当たり、水産物の残渣を利用した栽培法などの関係で美味であり隠れた特産物となっている。学生とともに、サツマイモパーティを開催した。30人の参加者の大半はこのような集まりの常連である老人会女性であったが、自身も栽培している男性たちも参加し、特産物を取り上げることにより関心を持つ人の幅が広がることが窺われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定通りに調査とアクションは実施することができた。しかし、作成したリーフレットの地区住民との共有や議論の場をコロナ禍のために設定することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、調査地区での現地調査やアクションの実施は困難な状況になると考えられる。地区住民のほぼ全員が高齢者であるため、政府の緊急事態宣言が解除されたとしても、地区の人たちが安心して外部者を受け入れられると考えるまでは、訪問は差し控えなければならない。 そこで、それまでは、これまで収集したデータや二次資料の再整理を中心とし、電話等による地区の方々への追加的な聞き取りにより、地域の生産と生活の状況をまとめるとともに、地区の人と共有しやすい資料の作成に努めたい。
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Causes of Carryover |
予定額と実支出額の差額により、1万円未満の残額が生じた。令和2年度に計画しているデータの再整理や、調査地区住民と共有する資料作成に充当する予定である。
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Research Products
(2 results)