2022 Fiscal Year Research-status Report
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19K12567
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
奥 健太 龍谷大学, 先端理工学部, 講師 (70551555)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 推薦システム / 観光スポット推薦 / 観光ルート推薦 / 観光地推薦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、観光資源の特徴の一つとして景観特徴に着目し、景観ベースの観光情報推薦の問題に取り組む。 2022年度は、前年度までに取り組んできた(a)観光スポット推薦システム、(b)観光ルート推薦システム、(c)観光地推薦システムを組み合わせた観光情報推薦システムについて検討した。特に、2022年度は景観変化を考慮した観光ルート推薦システムについて取り組んだ。具体的には、OpenStreetMapの道路ネットワークデータを対象に、国土数値情報から得られる土地利用細分データや標高データを用いて、ルートの景観変化について分析した。 また、2021年度に新たに検討を開始した(d)コンテンツツーリズムに向けた観光情報推薦システムの課題に、2022年度も引続き取り組んだ。コンテンツツーリズムとは、映画や漫画、アニメ、音楽などさまざまなコンテンツの舞台である土地を訪れる観光行動のことである。この観光行動には、例えば、アニメ作品や映画作品中のシーンに現れる景観や、楽曲の印象に合った景観を巡る観光なども含まれる。このような考え方を基に各種コンテンツと景観との関係データを用いることで、本研究課題で取り組んでいる景観ベース観光情報推薦の問題をより多角的に分析することができる。2022年度は、特に、映画やコミック、ゲーム動画、楽曲、書籍などのコンテンツを対象に、コンテンツ自体の特徴とコンテキストやパーソナリティとの関係性の分析を行った。 この中でも、種観光資源の景観特徴に合った楽曲を推薦するシステムについては、産学連携の一環として重点的に取り組んだ。具体的には、観光スポット、観光ルート、観光地について、得られる外部情報を基に景観特徴化を行い、これらの景観特徴に対する感情特徴を推定する。同様に、楽曲についても感情特徴を推定し、これらを関連付けることで、種観光資源の景観特徴に合った楽曲を推薦する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、特に(d)コンテンツツーリズムに向けた観光情報推薦システムの課題の応用の一つとして、産学連携に重点的に取り組むことができた。特に、観光資源の感情特徴と楽曲の感情特徴との関係性について具体的に分析することができ、おおむね順調に進展したといえる。しかしながら、コロナ禍において、研究費執行や成果発表が計画通りには進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度より実施しているコンテンツツーリズムに向けた観光情報推薦システムの課題に、2023年度も引続き重点的に取り組む。WikipediaやOpenStreetMap、国土数値情報などのオープンデータを基に観光資源や各種コンテンツの特徴化について検討していく。また、前年度と同様に、出張旅費および人件費・謝金に充てていた分をクラウドソーシングや業務委託等に回す形で、これらの予算を拡充させる。拡充させた予算で、クラウドソーシングや業務委託により各種コンテンツと景観との関係データの収集を実施する。コンテンツとして映画や漫画、アニメ、楽曲、クラシック楽曲、書籍、動画などを対象としている。これらのコンテンツと景観との関係データを収集する。関係データとして、コンテンツ-景観関係データに加え、コンテンツ-感情-景観関係データ、コンテンツ-パーソナリティ-景観関係データ、コンテンツ-コンテキスト-景観関係データなどを収集する。上記の課題については、研究協力者(大学院生および学部生複数名)と連携しながら遂行する。
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Causes of Carryover |
2021年度から状況が変わらず、コロナ禍において出張旅費および人件費・謝金を執行する機会が大幅に減少した。そのため、次年度使用額が生じた。このことを受け、2022年度から、その分の費用をデータ収集に充てている。しかしながら、2022年度はWikipediaやOpenStreetMapなど、無償で利用可能なオープンデータからの収集を重点的に行ったため、計画よりも実際に使用した額が少なかった。 2023年度は、引続き、クラウドソーシングや業務委託により各種コンテンツと景観との関係データの収集を実施する。コンテンツとして映画や漫画、アニメ、楽曲、クラシック楽曲、書籍、動画などを対象としている。これらのコンテンツと景観との関係データを収集する。関係データとして、コンテンツ-景観関係データに加え、コンテンツ-感情-景観関係データ、コンテンツ-パーソナリティ-景観関係データ、コンテンツ-コンテキスト-景観関係データなどを収集する。
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