2019 Fiscal Year Research-status Report
地域連携プラットフォームのライフサイクルの把握とマネジメント・モデルの構築
Project/Area Number |
19K12574
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長尾 雅信 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50467065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 義広 駿河台大学, 経済経営学部, 講師 (80818279)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 地域連携プラットフォーム / コミュニティ / 産官学連携 / プレイス・ブランディング / コラボレーション / ライフサイクル / 地域ブランド / センス・オブ・プレイス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国が提唱する地域連携プラットフォームのマネジメントに理論的貢献が出来るよう、コラボレーション理論の視点から日本における地域連携プラットフォームのライフサイクルを把握し、マネジメント・モデルを構築していくことである。 平成31年度は地域連携プラットフォームの先行事例として、産学官民に属する個人が参加する異分野コミュニティである「岩手ネットワークシステム(INS)」とその思想を受け継いで関西を中心に発展し現在は全国的な支部をもつ「関西ネットワークシステム(KNS)」の構成メンバーのうち、特に両プラットフォームの創設や運営に関わった主体、現在中核的役割を果たしている主体に対し、インタビューを行った。インタビュー内容は主に①プラットフォームとの関わり(参加のきっかけや自身の役割)、②プラットフォームの認識(プラットフォームの地域における役割、変容の出来事)、③プラットフォームの今後について聞き取りをした。これらの調査から地域連携プラットフォームの変容要因を得るとともに、地域連携プラットフォームをベースとした起業についても知見を得ることが出来た。 また、8月には産学官民コミュニティ全国大会に参加し、各地の地域連携プラットフォームにかかる情報を収集するとともに、ワークショップに参加することで地域連携プラットフォームで行われているコラボレーションを体験する機会を得た。各プラットフォームのメンバーと深い対話の機会を得たことで、各地の連携プラットフォームの特徴と課題、彼らがINSやKNSといった先行事例をどう捉え、その知見を自身のプラットフォームへといかに転用しているのかを把握した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度の調査計画はINSやKNSといった地域連携プラットフォームの先行事例へのインタビューを実施することであった。上述のとおり、地域連携プラットフォームの創設や運営に関わった主体、現在中核的役割を果たしている主体に対しインタビューを実施することが出来、プラットフォームの役割や認識に関する知見を得ることが出来た。また、産学官民コミュニティ全国大会では、先行事例を基に立ち上がった各地の地域連携プラットフォームの主体とも知己を得ることが出来、今後の調査に向けたネットワークづくりも行うことが出来た。 調査の一部を基にしたワーキングペーパー、先行研究のレビューに基づいた学会報告も行うことが出来、研究成果の一端を社会に還元することも出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の収束が見込めない中で、移動制限が続き令和2年度前半はフィールドワークを実施することがかなわない。そこで令和2年度は以下のとおり研究を遂行する。 1.先行研究のレビューの深化 計画書に記載したコラボレーション理論だけでなく、ライフサイクル理論、場の意味づけについて取り扱うセンス・オブ・プレイス論を掘り下げ、地域連携プラットフォームを分析する枠組みの精緻化を図る。 2.定量調査の実施 地域連携プラットフォームの先行事例の一つと調整をし、構成員に対しプラットフォームに対する認識を問うアンケート調査を実施する予定である。これによりプラットフォームの中核メンバーのマネジメント視点にとどまらず、フォロワーのプラットフォーム連想を得ることが出来る。このことはプラットフォームのライフサイクルのより精緻な把握とその変容要因を特定することに繋がることが期待される。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の拡大により予定されていた調査が遂行出来なくなったこと、ならびに産学官民コミュニティ全国大会に参加したことで、地域連携プラットフォームの担い手の多くから話を伺うことが出来、出張の回数を減らすことが出来たことが寄与している。 COVID-19による計画変更により翌年度に統計調査を行うことから、前年度の経費を統計処理に係る作業分として充てることとした。
|
Research Products
(2 results)