2019 Fiscal Year Research-status Report
伝統工芸を対象とした自然に基づく文化多様性と観光マネジメント
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19K12575
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
丸谷 耕太 金沢大学, 人間科学系, 助教 (50749356)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 伝統工芸 / 文化多様性 / 文化観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は石川県における伝統工芸を対象とし,地域資源の背景にある自然と文化の連環を伝える観光マネジメント方策の提示を目的とする。そのために,以下の3点に取り組む。1)文化多様性を決定する自然と文化の連環と産地特性の分析、2)生産者を主とする文化の発信者の認識、3)生産者と観光者の文化伝達の内容分析を通した現在の観光の評価。 令和元年度は,産地特性の分析として,輪島市の輪島塗、金沢市の金沢箔、小松市の九谷焼、加賀市の山中漆器を対象に調査を行った。それぞれの生産工程および使用される原材料を把握するための調査を実施した。具体的には,1)生産者数や生産額、産業の分業体制による産地の構造の把握、2)工場や店舗、観光施設の立地についてGISを用いた空間特性の抽出、3)現在取り組まれている観光事業について実施される場所と形態の把握である。以上から,産地の特徴および各伝統工芸における観光関連施設と観光サービスの内容をまとめデータベースを作成し整理した。 自然と文化の連関はランドスケープとして表象される。樹木や石など地元の自然資源とものづくりの関係を再構築する活動が多く生まれていることが分かり,景観研究センターのレクチャーでその可能性を報告した。このような取り組みは観光者に何を伝えられるか,引き続き研究を進めていきたい。今年度はデータベースの作成を行ったが,今後事例を増やすことで類型化/比較を行い,産地の特性に適した観光の形態について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査は予定通りに進んでいる。一方で,調査結果について国際会議での発表を計画していたが,中国の民主化運動やコロナウイルスのために中止となった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,輪島市・金沢市・小松市・加賀市における伝統工芸における自然と文化の連関把握のための調査を進める。しかし,現在のコロナウイルスの影響で対面での調査が難しくなっているため,長期化した際は対応策を検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
参加予定をしていた国際会議が中止になってしまったため,旅費の残額が発生した。次年度以降の国際会議での発表の機会を増やすことで,計画した内容を遂行する。
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