2020 Fiscal Year Research-status Report
デスティネーション・マーケティングにおけるPPMの有為性の検証ー沖縄県を事例にー
Project/Area Number |
19K12581
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金城 盛彦 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (30317763)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 沖縄観光 / 県外国内客 / リピート率(客比率) / プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント:PPM |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題の実施に際し、一昨年度は、国内観光客の中でリピート客を特定する設問が問題になりました。当初は、まず調査年に訪れた訪問先を複数選択してもらい、その全てについて、前回の訪問時期を尋ねる形で設問を設計しました。しかしその場合、選択済みの複数の訪問先を覚えた上で、それぞれの訪問時期を答える必要があるため、被験者への負担が大きい点等の問題が有りました。検討の結果、昨年度には当該年の訪問先を一件ずつ尋ね、個々の訪問先について、前回の訪問時期を尋ねる形で、被験者の負担の軽減を図る形に変更し、設問を設計し直しました。 一方昨年度は、コロナ禍により国内観光客が激減しました。今年度に入っても、その状況に変化は無く、国内観光客は、コロナ禍以前の水準には遠く及ばないままとなることが想定されます。よって、感染症の影響を排し、調査結果の普遍性を担保する必要が生じました。すなわち、調査時期にそのコロナ禍の昨年、今年度を含めるかの検討が必要になりました。 検討の結果、先行研究に倣い、調査対象時期に幅を持たせ直近5年間とし、前3年の動向を踏まえることでコロナ禍以前の動向を把握、調査結果の普遍性を担保を図ることにしました。同時に、後ろ2年でコロナ禍を含めることで、その特殊性も検証する形で、研究の目的を拡張する方向で、調査票を調整中です。 昨年度の末に、所属先のルールを受け調査を委託するWebモニター会社の選考に時間を要したことを逆手に取り、一連の検討の時間を設けることが出来ましたが、調査票を確定し次第、再び委託先の選考を行い、可能な限り早期に調査を実施する予定です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
国内観光客の中でリピート客を特定する設問に関し当初(一昨年度)は、訪れた訪問先を複数選択してもらい、その全てについて、前回の訪問時期を尋ねる形を想定していました。しかし、被験者の負担を考え、昨年度再検討した結果、訪問先を一件ずつ尋ね、個々訪問先について、前回の訪問時期を尋ねる形に変更しました。 設問の設計変更を踏まえ、昨年度に予備調査を実施、課題の進捗を図る予定でしたが、同時期から現在に至るまで続くコロナ禍に見舞われ、国内観光客数が激減したため、調査の可否や意義に対する疑義が生じてしまいました。委託先の選考が遅れたことを逆手に取り、早急な実施ではなく、再度調査の設計を行い、調査期間を5年間とすることで、逆にコロナ禍以前(前半3年)と、以後(後半2年)の動向を把握し、調査結果の普遍性を担保し同時に、感染症の影響をいった新たな視点も加え研究を進める形に変更しました。 現在は、不測の事態への対応も含め、調査方針、設計の根本的変更を終え、予て進めていた調査委託先の選考を再開し、変更の有効性を検証するための予備調査を今年度の前半に実施する予定です。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者の負担軽減、およびコロナ禍による国内観光客の激減といった不測の事態に対し、前者は、訪問先を一件ずつ尋ね訪問先個々について、前回の訪問時期を尋ねる形に変更し軽減を図り、後者に対しては、調査対象時期を5年間とすることで、前半3年のコロナ禍以前の動向から安定的な結果を、後半2年のコロナ禍以後の動向からは、むしろ感染症の影響を把握するといった拡張を図り、かえって研究結果の普遍性と同時に特殊性の把握も試みることにしました。 現在は、この方針に則り調査方針、設計の根本的変更を終えたため、予て進めていた調査委託先の選考を再開し、変更の有効性を検証するため、今年度の前半には予備調査を実施する予定です。 ただし、調査期間5年間の後半2年、コロナ禍の国内観光客の動向に関しては、初めての経験であるため、個々の訪問先に、その信憑性の検証に足るだけのデータが有ることは想定できません。この点に関しては、観光庁やJNTO等の国内客に関する統計を適宜加工したり、個々の訪問先の集計量との比較を通じて検証する予定です。
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Causes of Carryover |
次年度使用額の発生理由は、被験者の負担軽減やコロナ禍による国内観光客の激減といった不測の事態を受け、調査の実行可能性や意義を見直す必要が生じため実施出来なかったことが主な原因です。同時に、委託先のWebモニター会社の選考に関し、所属先のルールに対する認識に齟齬が有り、委託業務が滞ったことも理由の一つです。 被験者の負担軽減に関しては、一件ずつ尋ね訪問先個々について、前回の訪問時期を尋ねる形に変更すること、コロナ禍の影響に関しては、調査時期を5年間とすることで、前半3年のコロナ禍以前の動向から安定的な結果を、後半2年のコロナ禍以後の動向からは、むしろ感染症の影響を把握する拡張を図ることで、かえって研究結果の普遍性と同時に特殊性の把握も試みる形に変更しました。一連の変更の有効性、すなわち研究の目的を変えるものではないことの検証のための予備調査は確実に、可能であればその結果を踏まえた本調査を、年度中に実施したいと考えています。 予算の関係で、委託先を予め想定していたが、所属先のルールに依れば複数の委託先から選考を行う必要があることを確認したため、時間は要するが調査のコンセプトを説明し、フィードバックを得たうえで、複数の委託先候補の中から選考を早期に実現したいと思います。フィードバックから得られた知見はまた、積極的に活かして行きたいと思います。
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