2019 Fiscal Year Research-status Report
プラス要因・マイナス要因を考慮した実時間型観光スポット推薦システムの研究
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19K12582
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
佐々木 淳 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (20305296)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 推薦システム / 観光推薦 / 感性モデル / スケジューリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、プラス要因・マイナス要因を考慮した実時間型観光スポットの推薦システム構築を目的としている。 平成31年度(令和元年度)は、ケーススタディとして、岩手県内の観光スポットの魅力度を定義し、既存の旅行Webサイトによる評価データと、アンケート調査を行い、個人のプロフィールに応じた魅力度を算出するアルゴリズムを作成した。また、旅行Webサイトの口コミと写真データから、観光スポットの特長を抽出する手法を確立した。さらに、岩手県三陸沿岸の観光地(龍泉洞、浄土ヶ浜など)を対象に、観光スポットおよび公共交通手段を用いた観光コースのデータベース構築を行った。このデータベースを活用し、旅行者の嗜好(プラス要因)と電車やバスの時刻表と旅行者の時間的制約(マイナス要因)を考慮した最適な観光コースを選択できるようになった。また、三陸鉄道利用者の増加をねらいに、鉄道マニュア向けの写真投稿サイトを設計した。 マイナス要因となる観光地の混雑度については、三陸沿岸地域は混雑する観光スポットは存在しないため、岩手県盛岡市内を対象に、混雑するイベントにおけるTwitterデータを収集し、実際の混雑データとの時系列比較を行い、ある程度の相関性があることを確認した。 さらにマイナス要因の一つとなる旅行中の疲労については、過去の研究論文を調査し、旅行者のプロフィール(年代、性別など)と移動手段(電車、バス、徒歩)による疲労度を考慮した観光旅行における感性モデルを作成した。 以上の研究成果について、ジャーナル論文1件(投稿中)、国際会議3件(発表)、国内学会4件発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、観光スポットのデータベース化として観光スポットのオントロジーモデルを構築する予定であった。しかし、観光地のオントロジーモデルについては既存研究が多く、新規性がないため、観光コースを含めたデータベース構築を行った。また、実時間情報の収集方法については検討段階であり、これまではあまり進捗していない。その他については、おおむね予定通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究では、岩手県三陸沿岸地域における公共交通手段を用いた観光コースのデータベース化、プラス要因である観光地の魅力度の定量化、旅行中の疲労を考慮した感性モデルの構築が主な成果である。 今後は、混雑状況および交通情報の実時間データまたは予測データの収集方法について研究を行う。また、これまで提案したモデルとデータベースの統合、実際の旅行者の感覚についてアンケート調査を行い、本研究で提案した感性モデルの妥当性について評価を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、年度末に予定した出張ができなかったため。
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