2019 Fiscal Year Research-status Report
観光者の環境配慮行動を誘発する他者行動:旅の恥をかき捨てない観光者行動の為に
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19K12583
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
直井 岳人 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (10341075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十代田 朗 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (70226710)
飯島 祥二 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (80258201)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 観光者心理 / 環境配慮行動 / 環境関連動機 / 心理学的介入 / ビーチクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は対象となるビーチクリーニングの選定を行う計画であった。その一環として、海水浴場として知られており、 大都市内ではないがその近郊であり、環境保全を重視していることが認識されており(認証や選定など)、ビーチクリーニングが実施されている、という条件をおおよそ満たすビーチおよびビーチクリーニングの候補を、クリーニング活動ポータル、ビーチでのイベントに関する先行研究、主要新聞の記事検索を通して絞り込んだ。従って、2019年度の計画はおおむね達成された。また、最終年度に実施する予定の現地質問票調査の案も作成し、当初の計画にはなかった2020年度の予備調査実施も視野に入れていた。ただ、2019年度末よりクリーニング実施団体への、ビーチクリーニングの概要(特に参加者のおおよその出身地と実施目的)に関する聞き取りと調査許可依頼を開始する予定であったが、コロナ禍の発生により中断を余儀なくされている。また、予備調査も2020年度の実施は難しいと考えられる。2019年度の研究成果としては、本科学研究費採択前から取り組み、2018年度にワーキングペーパーとして海外研究発表大会で発表していた文献レビュー、理論的枠組みの構築、調査デザインを、更なる先行研究(特に海外の環境心理学分野の一般的な環境配慮行動に関する先行研究とビーチにおけるレジャーに関する先行研究)のレビュー、共同研究者との打ち合わせを通して再考・加筆し、研究ノートとして発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度計画通り対象ビーチとビーチクリーニングの候補載選定ができたこと、当初の予定になかった、先行研究のレビューを基にした理論的枠組みと調査計画に関する研究ノートの発表を行ったこと、これも当初の予定になかった質問票調査の初案を作成したことから、これらの面では、当初の計画以上の進展があったといえる。ただ、「研究実績の概要」に記載した通り、年度末のビーチクリーニング実施団体を対象とした聞き取りができなかったため、対象ビーチとビーチクリーニングの確定まではできず、さらに、コロナ禍の状況によっては、対象ビーチ及びビーチクリーニングの再考が必要となる可能性、次年度以降の調査が難しくなる可能性がある。基本的なビーチの選定基準と理論的枠組みに関しては今後も大きな変更は考えられないが、実際の研究フィールドに関しては次年度以降に向けての確定的な下地を敷くには至らなかったことから、区分としては「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、ボランティア観光研究の枠組みを援用し、ビーチクリーニング参加者の参加動機の抽出を行い、ビーチクリーニング活動に関する情報によって影響を受ける可能性のある動機の整理の一助とする予定であった。しかし、コロナ禍の影響により、海水浴シーズン前のビーチクリーニングイベントが軒並み中止となった。このため、研究の枠組みと方法を大幅に変更し、先行研究のボランティア観光動機の項目を基にした定量的質問票調査を行い、最終年度の質問票調査で使用する動機の項目を絞り込むことを計画している。また、「研究実績の概要」で述べた予備調査も、実施は難しい見込みである。
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Causes of Carryover |
ビーチとビーチクリーニング選定の為の論文と書籍が、研究代表者・研究分担者が追加の支払いなしに閲覧可能なものや、すでに所有しているものがほとんどで、物品購入費がかからなかった。また旅費に関しては、長距離移動が難しくなり、東京都内の対面での打ち合わせに参加できない共同研究者がおり、また、打ち合わせが別の用務を兼ねて実施されたため、交通費もかからなかった。また、年度末のビーチクリーニング実施団体からの聞き取りに旅費、人件費・謝金、その他の費用を使用する予定であったが、「研究実績の概要」で説明した事由により実施できなかったため、これらの費用もかからなかった。
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