2019 Fiscal Year Research-status Report

農山漁村と都市住民の意識変化に対応したグリーンツーリズムの方策・評価モデルの開発

Research Project

Project/Area Number	19K12599
Research Institution	Nakamura Gakuen College
Principal Investigator	浅岡由美中村学園大学, 流通科学部, 教授 (40280250)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	中川隆中村学園大学, 流通科学部, 准教授 (10396343) 坂本健成中村学園大学, 流通科学部, 講師 (40399184) 甲斐諭中村学園大学, 流通科学部, 教授 (70038313)
Project Period (FY)	2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords	グリーンツーリズム / アグリツーリズモ / 農家レストラン
Outline of Annual Research Achievements	本研究では，2つの研究目的を設定した。すなわち，第一の目的は，農山漁村が持つ多様な地域資源を「食をめぐる滞在交流型観光」を目指す観光資源に転換し，農山漁村を訪れる都市住民の多様なニーズや価値と合致させ，グリーンツーリズムの持続的な運営と発展，地域振興につながる方策を探索すること，第二の目的は，文献調査やフィールドリサーチで調査した地域の事例から評価モデルを作成し，持続的なグリーンツーリズムを成功に導くための指標や尺度を開発することである。今年度は研究目的にもとづき，（1）国内外のグリーンツーリズムに関する基礎的調査，（2）国内外のフィールドリサーチ，を計画した。前者に関しては，①先行研究，統計資料などのレビューを行い，グリーンツーリズムの進展経緯について整理を行い，研究会報告（観光九州アカデミア）を行った。後者に関しては，①国内では，福岡市に隣接する糸島市，海外ではフランス（ニース）とイタリア（アメーリア，オルビエート）で調査を実施した。糸島市では観光客を対象としてインタビュー調査を実施し，有効回答336件を得た。ニースでは，地元の人やプロの料理人などが買物をする市場と観光客向けの市場，ニースの商品だけを扱っている店舗などの視察と現地在住の日本人シェフ，食材商社・マーケティング事業を営む日本人などにインタビュー調査を実施した。イタリアでは，アグリツーリズモ，農家レストランの現状を把握し，国際スローシティ協会本部を訪れ，スローシティ，スローツーリズムに関する知見を得た。年明けに，国内のフィールドリサーチを実施予定であったが，新型コロナウイルスの影響で実施できなかった。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 新型コロナウイルスの影響で，年明けに予定していた国内のフィールドリサーチは実施できなかったが，その他に関しては概ね順調である。
Strategy for Future Research Activity	今年度は，国内外のフィールドリサーチを続ける予定であるが，海外のリサーチは見送ることも検討せざるを得ない。可能なリサーチ先で調査を先に進め，データを集め，評価モデルの作成と指標や尺度の開発に着手したい。また，新型コロナウイルスの影響で，観光産業は大きな打撃を受けている。グリーンツーリズムによる付加価値以前の経営的課題に関する調査についても検討の必要があると考える。
Causes of Carryover	国内のフィールドリサーチを予定していたが，新型コロナウイルスの影響で実施できなかったことが理由である。リサーチが可能な時期に，実施する。