2020 Fiscal Year Research-status Report
農山漁村と都市住民の意識変化に対応したグリーンツーリズムの方策・評価モデルの開発
Project/Area Number |
19K12599
|
Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
浅岡 由美 中村学園大学, 流通科学部, 教授 (40280250)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 隆 中村学園大学, 流通科学部, 准教授 (10396343)
坂本 健成 中村学園大学, 流通科学部, 講師 (40399184)
甲斐 諭 中村学園大学, 流通科学部, 教授 (70038313)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | グリーンツーリズム / フードツーリズム / 農観連携 / DMO |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,2つの研究目的を設定した。第一の目的は,農山漁村が持つ多様な地域資源を「食をめぐる滞在交流型観光」を目指す観光資源に転換し,農山漁村を訪れる都市住民の多様なニーズや価値と合致させ,グリーンツーリズムの持続的な運営と発展,地域振興につながる方策を探索すること,第二の目的は,文献調査やフィールドリサーチで調査した地域の事例から評価モデルを作成し,持続的なグリーンツーリズムを成功に導くための指標や尺度を開発することである。 令和2年度は,前年度に実施した糸島市での観光客を対象とした二次交通に関する調査,考察を行い,本学のプロジェクト研究で刊行した書籍の一つの章に著した。高齢人口の増加,若者の車離れ,訪日外国人観光客の増加(令和元年当時)など,わが国の観光を取り巻く共通した現状に加え,観光客の自家用車やレンタカーが引き起こす交通渋滞や自然豊かな地域の環境保全を考えると,グリーンツーリズムには自家用車やレンタカー以外のアクセシビリティ(利用のしやすさ,アクセスのしやすさ)を検討する必要があり,レンタサイクルの充実やグリーンスローモビリティなどの導入について提言,言及した。 その一方で,新型コロナウイルスの影響により,計画していたフィールドリサーチは糸島市において,DMO候補法人である一般社団法人糸島市観光協会及び同市において旅行業を営む企業へのインタビュー調査1件だけしか実施できなかった。 この間,先行研究のレビューを行い,ヨーロッパと中国におけるグリーンツーリズムの出現経緯と現状,また,日本における出現経緯と現状を農業政策,農業経済学の視点と観光学の視点からの整理,農観連携やDMOに関する現状の確認を行った。 今年度は文献調査が主にならざるを得なかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度に予定していた国内外におけるフィールドリサーチが新型コロナウイルスの影響で,1件しか実施できなかったことによる。先行研究のレビューなど,文献研究は予定以上に進んだが,事例研究がまったくできていない。 令和3年度も国外でのフィールドリサーチの実施の見込みは立たないため,国内における調査で研究を進める。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長を行う。国外でのフィールドリサーチの実施の見込みは立たないため,国内における調査で研究を進め,データを集め,評価モデルの作成と指標や尺度の開発に着手したい。 令和3年度には国内において,調査が可能な時期に,可能な地域で実施予定であるが,観光業界が大きな影響を受けている中,グリーンツーリズム地域が根本的に抱えている経営課題についても明らかにする必要があると考えている。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で,国内外のフィールドリサーチが国内1件だけしか実施できなかったことが理由である。 令和3年度は,調査が可能な時期に,可能な地域において調査を実施する。
|