2020 Fiscal Year Research-status Report
An International Comparative Study on Women's Empowerment and Human Resource Management Strategies
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19K12611
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
石黒 久仁子 東京国際大学, 国際戦略研究所, 准教授 (90573915)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ジェンダーとマネジメント / ダイバーシティ・マネジメント / 国際比較 / スウェーデン / ヨーロッパ / 人的資源管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、1)スウェーデン現地企業でのフィールド・リサーチ、2)文献・データ(政府・国際組織など)の更なる収集、3)国内企業及び国内外資系企業の情報収集を目標とし、中間報告を国際学会(European Association for Japanese Studies, アクセプト済み)で実施する予定であった。しかし、Covid-19の継続的・世界的な流行により、当初予定されていた現地調査、国際学会の発表は中止となった。そのため、日本国内にて上述の研究を継続して行った。 具体的な実績は以下7点である。1) 日本・イギリス・スウェーデンのアカデミア、ビジネス界双方のネットワークを通じて、オンラインも含めた2021年度本格調査の実施への準備、2)女性のキャリア形成の日本ースェーデンの国際比較に関する論文発表('21.2月)、3)女性リーダーのキャリア開発に関する調査を国際学会にて発表('21.03.08)、4) 国内外資・日資両企業での聞き取り調査、5) 現代フェミニズム研究の学術的動向と社会問題のジェンダー・アプローチを用いた分析に関する研究会への参加と、本研究の中間状況の発表(国内、'20.07.11, '21.01.26)、6)更に、研究手法やジェンダーに関する他分野の研究者との知見の共有を目的とした研究会の立ち上げと実施(国内、'20.11.25, '21.3.25)。7)所属大学国際戦略研究所にて調査内容を公開セミナーにて発表('20.10.21)。 海外でのフィールド・リサーチ及び学会への参加はできなかったが、1)のネットワークを通じて、2021年度にはより幅広い企業・ジェンダー平等・ダイバーシティ推進担当者との調査の実施が可能になる予定である。更に、学会と論文発表を行えたことにより、分析視角・研究のスコープを発展させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
[研究実績の概要]に記載のように、2020年度は国内及びオンラインでの調査と発表を中心として実施したが、2020年度も2019年度第四四半期同様に海外への渡航と積極的な活動の双方が自粛となり、本研究の中心であるスウェーデンにおけるフィールド・リサーチ及びフォローアップ・リサーチが未実施である。(2020年度開始時点で、2020年夏期・2021年春季の2回実施予定であった。)そのため、更なるデータ収集が必要であり、2021年度のオンライン主体の調査に加え、年度後半(2022年春期予定)でのフィールド・リサーチと学会発表を実施する予定とする。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は研究最終年度として、1)スウェーデン企業のジェンダー・家族施策、国及びNPO・NGOなどの政策・施策に関する聞き取り調査を実施(年度前半はオンライン、後半は現地調査を予定)、2)同じ問題に関する日本国内企業(外資・日資とも)の状況と対応を調査することによりアップデート、3)国際学会(2022年3月予定Association for Asian Studies)での発表と論文投稿(国際ジャーナル)の3点にプライオリティを置き、加えて継続して国内の研究会に参加して発表を行い、ジェンダーに関する様々な状況や政策に関する知見の獲得を行なっていく。 調査・分析の焦点は、いかに企業がジェンダー平等をサポートするための施策を立案・実施しているかを解き明かす点にあるが、これまでの研究からは、スウェーデンにおいても、特に伝統的・大規模な企業ではジェンダー平等の推進を阻む力関係が存在していること、当事者である女性達は更なる状況の向上を望んでいることなどが見出されており、1)組織内の人事管理制度とその実際の運用、2)マネジメントのジェンダー平等実施への機運とモチベーションの有無、3)ジェンダー平等・ダイバーシティの受容と企業業績の向上及びイノベーションの創造の関係、4)当事者である男性・女性の認識と経験と将来への展望、の4点である。 研究から得られたデータを基に、1)スウェーデンを中心としたジェンダー平等の推進が進む国々の成功要因と課題、2)それらの要因・課題を日本国内の企業、社会、個人の状況と比較・分析し、学会での発表と国際ジャーナルへの投稿を実施する。また、機会を積極的に求め、国内外の企業や大学において研究成果を発表して研究で得た知見を還元する努力を継続して行なっていく。
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Causes of Carryover |
2019年末より継続しているCovid-19の拡大により、2020年3月から延期となったフィールド・リサーチを含め、2020年夏期・春期予定のスウェーデン、周辺諸国でのフィールド・リサーチ及び欧州での学会参加が再び中止もしくは延期となった。そのため、本年度経費より繰越となった予算を、旅費(フィールド・リサーチ2回、学会参加1回)、リサーチのテープ起こし(約20時間)に充当させる予定である。
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