2022 Fiscal Year Research-status Report
An International Comparative Study on Women's Empowerment and Human Resource Management Strategies
Project/Area Number |
19K12611
|
Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
石黒 久仁子 東京国際大学, 国際戦略研究所, 教授 (90573915)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ジェンダーとビジネス / 国際比較調査 / 人的資源管理 / 北欧 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は当初よりコロナ・パンデミックによる対象国と学会開催国への渡航が制限されていたため、欧州現地調査については予定を状況を見ながら検討したものの最終的に現地調査は実施せず、また、本調査の成果はオンラインにて学会で発表した。 このような状況下、2022年度は国内で1) 以下データの分析を実施: 対象各国の政府公表の男女平等に関するデータ; Global Gender Gap Report (WEF)のランキング及び各国の詳細データ; Sustainable Development Goalの各国進捗状況、2) 北欧各国のジェンダー施策に関する人事施策のケース・スタディの収集、3)コロナパンデミックがジェンダー平等に及ぼした影響、の3つの分野の調査・分析を行なった。更に、4)ジェンダーに関する研究会に継続して参加し、研究へのアプローチや分析視角の検討を行なった 上記データ分析から得た情報を基に、1)学会発表(2022年4月 ”The impact of the Covid-19 on gender equality: A case study of Japan”、British Sociological Association、2)論文発表(2023年2月 「日本のジェダー平等に向けて:データから読み解く現況と取り組み」 (2022年10月大東文化大学経営研究所 リサーチ・ペーパー W-80号 PP.1-11)、3)招待講演の実施 「女性のキャリア形成に関する研究」)、4)生涯学習センター・大学院外国語学研究科連携講座 での成果発表 「SDGsを映像・データから読み解くSDGs- 5ジェンダー平等への取組 」(2022年10月)、の成果発表を行なった。 更に、欧州調査対象企業の選定、国内企業の人事管理及びジェンダー施策理解のための聞き取り調査を継続して実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は当初2019-21に実施される予定であったが、2020年初頭から続くコロナ・パンデミックによる海外渡航制限の影響で、研究の中心であるスウェーデンを中心とした事例研究のデータ収集と海外研究者との情報交換・海外での国際学会発表の実施が未達であった。一方、国内で実施可能なデータ分析および事例研究の分析によって、2023年度の調査実施に対して充実した準備を行うことができた。更に、コロナ・パンデミックの国際的影響と各国対応の相違などの研究を加えることができ、分析に新たな視角をもたらした。 また、2022年度はこれまでの研究結果を基に、成果に記述されている論文・学会発表、特別講演・講義を実施することにより、コンスタントに研究成果を社会に向けて発信することができた。 以上のように、研究期間の延長を要しているものの研究自体は順調に進んでおり、2023年度の対象国(スウェーデンを中心とした北欧諸国)での現地事例調査の実施、最終研究結果のまとめに向かった研究を継続している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は現地調査を中心として研究を実施する予定である。 具体的には以下を実施する:1)2024年2-3月の期間に、スウェーデン、フィンランドの2カ国を中心として、現地企業・大学・政府機関に出向き、ジェンダー平等、女性活用の具体的施策を聞き取り調査する。また、各企業の女性・男性管理職及び社員に対する個別の聞き取り調査を実施し、国・企業の各レベルでの取り組みが個人のキャリア形成に与える影響を紐解いていく。2)2023年6-8月は現地調査に向けた対象企業、訪問先の最終的選定のために、日本国内の調査対象国大使館商務部、各国企業の日本事務所と連絡を取り、国内での聞き取り調査及び本国本社とのスケジュール調整を行う。3)2023年8月のEuropean Association for Japanese Studiesの学会に参加し、自身の研究成果を発表すると同時に、欧州における現状について現地研究者と情報交換を行う。4)国内のジェンダー研究の研究会に継続して参加し、これまでの分析視角と調査への更なるアドバイスをいただく。5)研究期間を通じて日本国内の企業や働く人々に対し積極的に聞き取りを実施し、6)更にデータ・文献レビューを随時アップデートして、本テーマに関する知見を広げる努力をする。 上記の研究活動と結果・分析を基に、最終的に次年度(2024年度)の学会発表(British Sociological Association (4月)、European Sociological Association (8月))及び海外ジャーナルへの投稿(Work, employment and society, Women and Management)を実施するための準備を進める。
|
Causes of Carryover |
当初研究実施予定においては、現地調査(複数回)及び国際学会への出席を研究各年で実施する予定であり、2022年度においても同様の予定、予算立てを行なった。しかしながら、国外現地調査が未実施であり、更に国際学会の実施がオンライン開催に変更されたため、旅費の使用が2023年度に繰越された。 また、現地調査のデータ分析のために使用予定のテープ起こし代金、投稿論文校閲についても2023年度に繰越されたため、支出が翌年度に繰越された。
|