2021 Fiscal Year Research-status Report
「エンパワーメント」言説/表象からみる女性スポーツ政策の政治性に関する研究
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19K12612
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
山口 理恵子 城西大学, 経営学部, 教授 (30509120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 佳奈子 成蹊大学, 文学部, 准教授 (70431666)
岡田 桂 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90386657)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 女性スポーツ政策 / スポーツにおける女性活躍 / エンパワーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染の影響により、研究計画通りには進んでいないが、国内の女性スポーツ政策に関して論文を書き、現在、共同研究者の論文とともに著書出版の最終段階に来ている。東京2020大会が招致され、第2期安倍内閣では女性活躍推進法が成立した時期に、「スポーツを通じた女性の活躍促進」と名付けられた女性スポーツ政策が始まったが、この政策が①女性の置かれてきた状況やジェンダー構造を無視したまま、女性に運動実施を奨励していること、②「女性特有」という言説が医学的アプローチにのみ使用されていることから、政策自体が物質的身体のみの視点から「女性」を構築しまう危険性があること、③誰もがスポーツできるよう、その機会を確保することは重要であっても、スポーツ市場を拡大するための駒としてスポーツの周縁に置かれてきた人々を対象にしている可能性があること、について言及した。また国連を含む、女性スポーツを推進する政策は、たとえ「ジェンダー平等」を掲げてはいても、各地域の少女や女性に「エンパワーメント」を求め、普遍的身体観を押し付けることにもつながると批判的に論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、海外で調査研究ができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染状況にもよるが、今夏にはマレーシアを訪れ、多文化主義の現地において女性とスポーツ、女性の身体活動について参与観察する予定である。またスポーツとエンパワーメントに関する総括的な論文をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究計画が大幅に遅延し、出張等が制限されたために次年度使用額が生じた。今年度は8月に少なくとも8月にマレーシアに調査研究に行く予定である。
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