2019 Fiscal Year Research-status Report
Application of illusion effect to the roundabout traffic system
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19K12674
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
星加 民雄 崇城大学, 総合教育センター, 准教授 (10331068)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ラウンドアバウト交差点 / 錯視効果 / ジグザグ形式イメージハンプ / アートと科学の融合 / 視覚障害者 / 中央島スペースの活用法 / 多義立体表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「錯視効果の交通システムへの活用」基盤研究A(平成26年度~29年度)にかけて研究遂行し得られた研究成果をもとに、環境デザインとアート表現からの視点でラウンドアバウト交通システムへの導入を目指す応用研究の位置づけとなる研究である。3年の研究計画の中で、本年は、これまでの研究成果と新たに取り組むアイディア展開、ならびにこれまでの研究ベースとなる錯視アートの研究成果とともに海外での国際展を通して発信することに重点を置いた。 本年度の取り組みで重点を置く海外での発信方法は、フィンランドのエミール・セーデル・クロイツ美術館で以前より開催が決定していたイリュージョンの科学とアートを融合した錯視アート融合展「Japonism Today Exhibition」(5月5日~9月8日)での発表である。本国際展、シンポジウムの概要は以下の通りである。まず本研究のベースとなる複数の大型錯視芸術作品の出展に加え、これまでの応用研究の成果の一つであるラウンドアバウト交通システムに関する5枚の論文パネルと複数の縮小模型をセットにしたポスター展示の組み合わせによる展示構成とし、会期中に海外向けのシンポジウムを設けた。アートと科学が融合した展示構成は珍しい。会場構成の特徴として錯視アートの展示コーナーと著名な錯視研究者が参加する科学的アプローチによる展示コーナーを各フロアに配置することで幅広い層から反響を呼ぶ展覧会となった。4ヶ月の長期間にわたる開催を利用し8月のサマーイベントとして開催したシンポジウム(東京工芸大学との共催)も好評で、開催期間中、新聞報道3社による両面見開きページにわたっての報道(2回)、ラジオやインターネットでの報道も影響し大きく世界に発信する研究成果となった。また令和1年9月6日付けで申請していた特許査定を受けることができ応用展開への道筋も見えてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
フィンランドでの国際展開催が本研究がスタートする前に決定していたため、これまでの研究をベースとした作品展に加え、新たな提案内容をまとめ成果発表につなげていく良い機会と考え早い段階から準備を進めることができたのが幸いしたと考えている。また本研究の研究テーマおよび研究内容が、平成26年度から29年度にかけて研究遂行してきた基盤研究(A)の研究内容と関連し、さらにそれを絞り込んだ応用研究であったことも影響している。 最終目標としている公共の交差点での施工に向けた詳細な実験検証および全国への展開に結びつけるための基礎資料となる中央島スペース設置用立体造形物(多義立体構成)の模型制作、そしてそのバリエーション展開は、これからさらに広げていく必要がある。しかし区切りとなる基礎研究の成果発表によるリアクションを得られ問題点が見えたことを考えると、今後の研究遂行につながる順調な研究進捗状況と言える。 今後の具体的な検討課題となるものは、特に交差点進入口の速度抑制効果を図るジグザグ形式イメージハンプ(独自に開発し特許取得)の錯視効果の視覚障害者への配慮に向けた電気自動車対応の音の鳴るライン表示、中央島スペースに設置する入り口認識を明確化した立体造形物(多義立体表現)の視覚効果などについての詳細にわたってのコメント記事は参考資料として活かしていく予定である。 令和1年9月6日付けで申請していた特許が取得でき今後の応用研究に結びつけていく準備も整っている。また昨年度の研究成果発表として予定していた第14回錯覚ワークショップ(明治大学先端インスティテュート主催)はコロナウイルス感染拡大にともない中止(延期)となったが、研究発表内容はまとまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究の中で交差点中央のスペースに置ける誘導サインの位置づけでもある立体造形物のアイディア展開はまだまだ広がる可能性が高い。特許取得後のアイディア展開を加速するべく全国に広げることを視野に入れた縮小模型でのバリエーション展開を主に研究遂行していく予定である。最終目標としている公共の交差点での施工および全国への展開に結びつけるための詳細な実験と設置を想定した資料作成にも重点を置き研究遂行していく。さらに設置場所を特定したシステムの構築等、具体的な実施に向けた計画も進めていく予定である。 また研究成果の発表では、昨年度に予定されていた第14回錯覚ワークショップ(明治大学先端インスティテュート主催)での発表ならびに芸術工学会への論文投稿での成果発表を予定している。
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Research Products
(3 results)