2021 Fiscal Year Research-status Report
Can the International Standard of soundscape studies become actual international standard?
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19K12676
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
永幡 幸司 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (50312765)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サウンドスケープ / ISO 12913 シリーズ / サウンドウォーク / Affective Quality / Arousal / Eventfulness / Pleasantness |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の成果として提案した,ISO/TS 12913-2のサウンドスケープの評価尺度(Perceived Affective Quality Scale)の日本語版試案を用いて,3つの評価実験を行った。 実験1では,川沿いの散歩道でサウンドウォークを実施し,サウンドスケープと回復的特性の評価を行った。サウンドスケープの評価尺度により得られたデータを主成分分析した結果,Pleasantness軸とEventfulness軸というISO/TSで想定されている2軸に加え,Annoyance軸が得られた。また,サウンドスケープの評価と回復的特性の評価を合わせて主成分分析した結果,回復的特性の7項目中5項目は,Pleasantness-Eventfulness平面で表現されたが,「まとまり」と「熟知度」については,別の次元で表現された。 実験2では,サウンドスケープ評価尺度を用いて,チョコレートの味の評価を行った。その結果,1つ目の実験同様,Pleasantness軸,Eventfulness軸,Annoyance軸の3軸が得られた。 実験3では,国際共同研究の一環として,屋外のサウンドスケープ27個のバイノーラル録音について,日本語を母国語とする被験者による日本語版尺度での評価を行い,現在,結果の分析中である。 実験の結果より,ISO/TSで提案されている評価語のうち,"Annoying"は必ずしも"Pleasant"の反対語となっていないため,"unpleasant"に置き換える必要があることを指摘した。また,関連する環境心理学の文献レビューを行い,"eventful"及び"uneventful"はAffective Qualityではないことを指摘し,Affective Qualityを名乗るのであれば,Arousalを評価する語に変更する必要があることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染防止の観点から,前年度,評価実験をほとんど行うことができなかったため,その分だけ,遅れている。しかしながら,その分の時間で,環境心理学等関連諸分野の過去の文献を広く体系的にレビューすることができたため,現状のISO 12913シリーズの持つ欠点について,理論的に明確化することができ,その一部は既にオンライン国際会議で発表できたので,トータルで考えると,「やや遅れている」と評価するのが妥当だと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の状況をみると,だんだん,実験室を用いた本格的な評価実験も可能となってきたと考える。感染対策を十分にした上で,実験室実験とサウンドウォークの両面から,評価実験を行いたい。
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Causes of Carryover |
参加した国際会議がオンライン開催となったため,旅費がかからなかった。また,密を避けるため,現場でのサウンドウォークを中心に評価実験を行ったため,実験室実験用の素材収録の際に必要な人件費,及び,旅費がかからなかった。次年度は,実験室実験も予定しているため,素材収録にかかる人件費と旅費分は,全て,次年度に使用する。国際会議にかかる旅費については,次年度,現地開催となり,参加できれば,使用できる予定である。
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Research Products
(12 results)