2020 Fiscal Year Research-status Report
ジェネレイティブデザインの学術的枠組みの基礎構築とそれに基づくデザインシステム
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19K12678
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 浩一郎 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40598330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 文雄 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30261887)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Generative Design / Diverse Solutions / Curved Surface Shape / Emergence |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においては、新奇性に富むデザイン解を計算機上で導出することが可能なGenerative Design(GD)研究を対象として、デザイン学研究領域における学術的基盤の基礎構築を目指すとともに具体的なGD手法を提案する。 2020年度は、2019年度において提案したGD研究の学術的基盤となる基本的な枠組みに基づく形状生成方法の提案とその効果の検証を実施した。形状生成方法は、新奇性や多様性向上を目的として、立体物の断面形状の制御により多様な曲面を生成する4つの方法を提案した.また、同方法により生成される形状の特性を把握するため、各方法で3個の形状を生成し3Dプリンタを用いて出力後、計12個の形状に対して印象評価実験を実施した。その際、各形状の幾何的特徴と印象評価結果を同定するために23個の幾何的形状特徴量を定義し、各形状に対して算出した。 まず、生成形状を21の印象評価尺度で評価し、主成分分析を実行した結果、生成形状の主な印象として「複雑さ」「動き」「先鋭」が抽出された。次に、生成形状を算出した特徴量を用いて主成分分析を実行した結果、生成形状の主な形状特徴として「断面の丸さ」「軸の曲がり具合」「断面の均一性」「外周線のばらつき」が抽出された。最後に、各主成分分析で得られた3つの主な印象と4つの主な形状特徴の比較を行った結果、形状特徴の第3主成分である「断面の均一性」は印象の第1主成分である「複雑さ」に作用し、形状特徴の第2主成分である「軸の曲がり具合」は印象の第2主成分である「動き」に作用することが示された。これらの結果から、提案した生成方法を用いることで、「複雑さ」や「動き」の印象を有する形状を生成できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GD研究の学術的基盤となる基本的な枠組みに基づいた具体的なGD手法(形状生成アルゴリズム)の提案と、その手法を用いた際に生成される形状特性の明確化について遂行できているため、研究実施計画に基づき順調に遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は前年度提案した形状生成方法を基にした、具体的な事例適用への検討や形状生成アルゴリズムの拡張を試行していく。その際、2019年度で得られたGD研究の枠組みに基づく新たな形状生成アルゴリズムの提案を並行して検討し、新奇性に富むデザイン解の創出を目指していく。
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Research Products
(4 results)