2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on design related to "oversight" of display objects in public space (brightness and color)
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19K12683
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
小濱 朋子 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 教授 (50736014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳瀬 亮太 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (10345754)
和田 和美 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 教授 (40434534)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公共空間 / ユニバーサルデザイン / 視覚探索 / 視認性 / 環境心理 |
Outline of Annual Research Achievements |
公共空間における表示物の「見落とし」に影響する環境要因を検討する実験室実験を行い、有効と思われる評価手法を確立した。(2021年5月の人間環境学会にて発表予定) 1.評価刺激:まず、「見落し」を公共空間を移動する際の手がかりとなる表示物において、「見落とし」が起こる可能性の高い環境要因を①天井面の輝度、②側面の輝度、③情報量と仮説した。そして、評価対象となりうる地下の移動空間として、名古屋市地下鉄の協力のもと、駅の周辺の表示で見落としを生じる可能性のある実空間の撮影を行った。撮影した画像に①~③の加工を画像ソフトで施し、その画像を用いた予備実験を通して、20枚の評価刺激を選定した。 2.実験環境:遮光した部屋の中に65インチの有機ELディスプレイを設置し、実験協力者は片目で画像を見て評価を行った。ランダムに提示される評価刺激の中に、指定された表示物を見つけたらすぐに口頭で応答し、見つけるまでの迷いなども言葉にできる部分は口頭で伝えてもらった。制限時間は10秒とした。さらに、空間の印象評価も行った。 3.実験結果:① 10秒未満で見つけている、② 行先の表示(またはそのもの)を間違いなく見つけている、③ 本人が「見つけた」と申告している、3つの条件が満たされない場合を「見落し」と仮説し、若年者33名の実験結果を分析した。「表示を見つけるまでの時間」と「内観評価」と「空間の印象評価」を合わせてると、「見落とし」が起こりやすい環境のパターンをいくつか把握することができた。この実験室実験および評価手法は、今後実践的に活用できる可能性が高く、今回の研究で得られた課題を改善することで、完成度を高めていきたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者と連携を取り、双方の大学で実験を行い推進している。実験結果の手ごたえもあり、学会での報告の手続きも終えている。研究は順調であるが、予定している事例集の作成が遅れている。コンテンツやまとめの構想はできているが、コロナ禍で、コンテンツとなるデータの補完などが思うようにすすめられていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究結果については、MERA(人間環境学会)に論文として投稿する予定である。 事例集については、今あるコンテンツを基に、Webで閲覧できるような簡単なサイトを製作する。
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Causes of Carryover |
前倒し金で対応した。
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