2021 Fiscal Year Research-status Report
美術-デザイン史概念を共有・育成するデザインアーカイブ群の構築
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19K12688
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Research Institution | Tama Art University |
Principal Investigator |
佐賀 一郎 多摩美術大学, 美術学部, 准教授 (30740708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 政幸 岐阜大学, 教育学部, 教授 (80304145)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | デジタルアーカイヴ / ポスターアーカイヴ / アートアーカイヴ / シンポジウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はデザイン・コレクションごとに独立して設計されたデジタルアーカイヴが、一方で知的体型としての「美術-デザイン史概念」を共通項として、その他のデジタルアーカイヴと連携するシステムを検討・構築するものである。 2021年度は、「美術-デザイン史概念」の辞書整備を進めつつ、その前年に開催された企画展「20世紀のポスター[図像と文字の風景]ビジュアルコミュニケーションは可能か?」(主催/東京都庭園美術館+日本経済新聞社)の企画監修/カタログ監修等を通じて達成した成果──デジタルアーカイヴに基礎づけられた規模の大きな展覧会の実現──そのものを〈デジタルアーカイヴが展覧会という場においていかに友好であるか〉という視点から検討し、2つの雑誌記事を執筆した。
また、同様のテーマを深めるために、展覧会「構成的ポスターと活字書体──Akzidenz Grotesk, Futura, Helvetica, Univers」の企画準備を進めた(開催されたのは2022年4月だが、企画自体は2021年度に進めていた)。これは、前述の東京都庭園美術館で展示されたポスターを、デジタルアーカイヴ・システム内で付された書体情報タグに即して再配列する展覧会だが、一種、デジタルアーカイヴ・システムの構造そのものを展示対象とするという点で、あたらしい一歩となった。 一方、これまでの研究活動/デジタルアーカイヴシステムをとりまとめた報告書の作成を進めた(2022年6月に発行予定である)。これによって生じたもうひとつの問い〈デジタルアーカイヴを友好活用できる研究主体はいかなるものであるか〉を研究テーマに加え、今後の活動につなげていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ入力状況の遅れのため、デジタルアーカイヴ・システムの連携テストができていない。2022年度にリカバリーしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
システム構築・開発を進める。また、アーカイヴにまつわる一種の哲学・思想の構築を、継続的に進めたい。 ・デジタルアーカイヴ・システム連携のための基礎データ入力/テスト環境構築を2022年度に推進する ・展覧会/デジタルアーカイヴ・システムを踏まえた、モノとしてのコレクションと、コトとしての諸要素群、すなわち「美術―デザイン史概念」「展示空間やデジタルアーカイヴ・システム内でのコレクション間/アイテム間の関係」そしてその背後にある「研究主体」「観者」の関係について、哲学的な考察を行いたい。そのための基盤となる知見の獲得を目指す
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Causes of Carryover |
「美術-デザイン史概念」の辞書整備、アーカイヴにまつわる一種の哲学・思想の構築のための資料や書籍を購入予定だったのだが、昨年度までの資料や書籍によって研究を進めた。そのため、来年度は資料・図書購入費として使用する。
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Remarks |
「書くことやデザインのこと」※無印良品くらしのラジオにて、アーカイヴやデザインの話 https://open.spotify.com/episode/5kTOtecvXASHOjcCb20jb9
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