2021 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of Aesthetic Aspects of Graphic Design Using NIRS
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19K12689
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
永盛 祐介 東京都市大学, メディア情報学部, 准教授 (70553931)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NIRS / 審美性 / デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,グラフィックデザインに対する人々の共通する感覚,あるいはグラフィックデザインにおける定番技法を糸口として,脳血流計測によってデザイン成果物の審美的側面の評価を行うこと,あるいは行うことが可能かを検討する。 グラフィックデザインの世界においては,デザイナにより提案された「美しさ」を実現するとされているノウハウが多数存在する。タイポグラフィ(文字の形状を考慮し文章を読みやすく・美しくレイアウトする技術の総称)におけるカーニング処理(文字間の適切な調整),ジョセフ・ミューラー=ブロックマンが体系化したとされる紙面レイアウト技法であるグリッドシステム(紙面を格子状に分割し,文章・写真・図版を整然とレイアウトする技術),古くは黄金比といった物もこれに数えられるだろう。本研究において,これらの技法を吟味し,技法をふまえた「良い・美しいデザイン」と,技法をふまえない「悪い・美しくないデザイン」に接した被験者の脳血流の差について検討したい。 このような実験を通し,ヒトが「良い・美しいデザイン」に接した際の脳血流の状態をモデル化することが本研究の目的である。この目的に対し,これまで,RobinWilliams「ノンデザイナーズ・デザインブック」に掲載されているストアカードのデザイン事例の良い例と悪い例を視覚刺激として脳血流計測実験を行った。また,5個の単語を表示し,全て同じフォントサイズで表示されたものを「違和感なし刺激」,1つの単語だけ行頭が揃っていない,または異なるフォントで表示されている「違和感あり刺激」についても同様に実験を行った。その結果,ストアカードの例では右脳部に良いデザインにおいて,悪いデザインと比較して,有意に高い酸素化ヘモグロビン濃度量を示す部位が見られた。また単語課題においては違和感の有無によって有意差が見られる部位がみられたのが前年度までの成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍における緊急事態宣言・まん延防止等特別措置によって,大学への入構制限,人との接触が伴う被験者実験を行うことが難しいため,遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍が一段落し,被験者実験も前々年度・前年度よりは行いやすい状況になった。緊急事態宣言・まん延防止等特別措置が発令されていないタイミングで被験者実験を行い,遅れを取り戻したい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によって研究が遅れたために次年度繰越が発生した。 繰越金については実験に必要な消耗品などに使用する計画である。
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