2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K12694
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
青木 幹太 九州産業大学, 芸術学部, 教授 (70159276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西薗 秀嗣 九州産業大学, 人間科学部, 教授 (10125338)
牛見 宣博 九州産業大学, 理工学部, 教授 (70284536)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 介護デバイスの開発 / 腰部負担の緩和 / 要介護者の自立意欲 / 中腰姿勢の抑制 / 介護負担の生理特性 / フィールドテスト / 社会実装 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、高齢者施設等で移乗や移動などの長時間介護によって発生する腰痛を抑制し、合わせて要介護者の残存機能を生かして介護への依存心を和らげ、拘縮予防効果のある介護デバイスの量産に向けて、北九州市にある福祉機器メーカー(株式会社有薗製作所)の協力を得て、介護者の体格に応じて身長155~164㎝(Sサイズ)、165㎝~175㎝(Mサイズ)の2サイズで、各サイズ3着の計6着の試作品を製作した。量産試作品の特徴は、①背面のフレームはカーボン製で、脊柱の屈曲を抑制する、②腰部と膝下にゴム製の装具が装着者の前傾姿勢を抑制し、腰部の負担を軽減する。③腰背部の6カ所に配置したグリップは、要介護者が把持し、自重を支えることで残存機能を活用した介護を行うことを想定している。完成した介護デバイスの量産試作品を福岡市の西鉄ケアサービス株式会社が運営する介護付き有料老人ホームサンカルナ博多の森ケアステージに持ち込み、一定期間のフィールドテストを実施して、量産試作品に対する評価を得た。その結果、「コルセットをしているように背部、腰部が固定され負担が軽減した」、「膝が悪いのですが、ベルトで固定されているので痛みなく良かった」、「要介護高齢者がどこを握るか迷っていたので、グリップカバーを目立つ色に変更して欲しい」、「長時間の着用は蒸れるので改良して欲しい」などが得られた。以上より、本研究では介護デバイスの量産試作を行い、現場のフィールドテストを実施するところまでが完了した。引き続き、フィールドテストは継続しており、地域密着型複合施設、病院、訪問介護サービスなどの現場で実施している。今後も量産化を進めるために、要介護高齢者と介護従事者の協力を得て入浴介助や排泄介助、起立や歩行訓練などで実際に使用し、腰背部の負担や作業効率などの面から実用性の評価を継続する。
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