2020 Fiscal Year Research-status Report
New Information Technologies for Electronic Information Resource Management: A Research Project through International Comparison
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19K12708
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
古賀 崇 天理大学, 人間学部, 教授 (60390598)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公文書管理 / アーカイブズ / アーキビスト / デジタルアーカイブ / デジタル情報保存 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はCOVID-19(新型コロナウイルス)の世界的な感染拡大のため、北米(米国・カナダ)などでの現地調査や、対面による国際会議への参加など、当初予定していた研究計画を遂行できない事態に陥った。ただしそうした中でも、「電子上の情報資源管理への新たな情報技術の導入」や、その関連領域についての動向把握に努め、さまざまな成果の発表につなげることができた。 まず、公文書管理をめぐる不祥事が相次ぐ日本の政府や社会にとって喫緊の課題であるアーカイブズとアーキビスト(アーカイブズ専門職)への理解を広く深めるための図書において、「電子上の情報資源管理」を扱う一章を寄稿し、2020年度末に刊行を果たすことができた。また講演の形での発表の機会が、オンライン形態のもの含め多くあり、特に「電子上の情報資源管理」に関する文書館と図書館などとの相違点・共通点の明示に力を入れた。 加えて前述の通り、対面による国際会議への参加は叶わなかったのものの、本研究課題に関する先進事例を把握する場として、完全オンライン形態で8月上旬を中心に開催された米国アーキビスト協会年次大会に参加する機会を得た。ここで得られた知見については、学会発表を行った上で、論文(研究動向)としてまとめ、次年度内に刊行予定である。なお、前年度の国際会議での発表と参加経験についても、同様に論文(研究動向)として刊行することができた。 その他、「電子上の情報資源管理」につき、海外ほか現地での調査の機会に恵まれなかったのに代えて、文献やウェブ上の情報の把握と読解に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査については2020年度に集中して行う計画を立てていたものの、やはりCOVID-19の影響が大きく、当初の計画通りの研究を遂行することはできなかった。その一方、本研究課題に関する最新動向の把握は、オンラインでの国際会議での参加や、文献やウェブサイトなどの調査を通じ、一定程度の目標を果たすことができた。加えて、「研究実績の概要」で記した通り、また後述の研究成果で具体的に示す通り、制約のもとでも研究成果の提示を、図書の刊行も含め、さまざまな形で達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度が本研究課題の最終年度となるが、年度初め時点でのCOVID-19の国内外の感染状況と、海外渡航を含めた対処の見通しに鑑みると、当該年度での海外での実地調査の実施は引き続き困難と言わざるを得ない。一方、デジタル・フォレンジックやブロックチェーンといった「新たな情報技術」を、文書館・アーカイブズ、記録管理、図書館等の領域へ適用している海外の動向、および日本での適用可能性については、まだ基本的事項を含めて日本国内では明確ではない現状である。よって、これらの動向を整理し、国内への提言につなげる作業を最終年度として進めたい。 その作業の手法としては文献調査およびウェブ調査を中心とする一方、前年度に続いて8月にオンラインで開催される米国アーキビスト協会年次大会に参加し、文書館・アーカイブズ領域における北米(米国・カナダ)を中心とした動向を把握する機会とする。これらの作業で得られた知見を踏まえ、必要に応じ、この方面での研究や実践を行う海外機関への、ウェブベースでの問い合わせ等も行えるようにしたい。こうした作業を通じ、年度終了までに、何らかの形での成果発表を達成できるように努めたい。 あわせて、前年度での「今後の研究の推進方策」として記した通り、公文書管理やデジタル情報への対応を含め、「政府情報アクセス」に関するこれまでの研究代表者の成果を、単行書として世に問うための作業も、並行して進めることとしたい。
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Causes of Carryover |
2020年度は海外調査を集中的に行う機会として、8月に米国アーキビスト協会年次大会(於:米国シカゴ)と国際図書館連盟年次大会(於:アイルランド・ダブリン)に連続して参加する予定を立てていた。しかし、COVID-19の世界的感染拡大により、前者は完全オンライン形態に変更、後者は中止という事態となり、海外渡航・調査のための費用がそのまま次年度使用額に回る結果となってしまった。この分については、2021年度の助成金とあわせ、本研究課題に関連する文献(研究代表者の所属研究機関はじめ、国内の図書館等で所蔵がないものが多い)の購入を中心として、使用する計画である。
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Research Products
(9 results)