2021 Fiscal Year Research-status Report
小型ハクジラ類における複数の感覚を介した言語の理解と言語獲得の普遍性について
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19K12735
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
村山 司 東海大学, 海洋学部, 教授 (40328109)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 言語理解 / 動詞 / 模倣 |
Outline of Annual Research Achievements |
飼育下のシロイルカにおいて,まず,動詞の命名を行った.前年度に,動作によって学習に大きな違いがみられたことから,本年度は前年度末期に試験的に行った動作についてあらためて初期の命名訓練を行った.すなわち,異なる2種類の動作について,その動作と特定の記号との対応を訓練し,その記号の理解を図った.その結果,それぞれの記号の呈示に対して正しい行動をすることができ,また,2つの動詞の混同も少なかった.このことから,被験体は動作を表すそれぞれの記号については理解しているものと考えられた.しかし,それらの動詞に目的語を伴い呈示すると行動に混同や不正解が見られ,低い正解率で推移した.このことから,それぞれの動詞を表す記号については理解しても,目的語を持った文にすると目的語と動詞の関連があいまいになり,まだ理解が十分ではないことが明らかとなった.なお,動詞と目的語の呈示のしかた(呈示する順番など)にも課題があるかもしれない. 一方,鳴音を介した言葉の理解について,ヒトの言葉による物の命名について訓練を行った.まず,被験体に2つの物をあらわすヒトの言葉を模倣させたところ,一定の正解率でヒトの言葉を模倣できた.そこで,その鳴音(模倣音)の意味の理解を図るため,その2つの物を呈示し,学習(模倣し)した鳴音でそれらを言えるかを検証したところ,正解率は低く,成果が低迷している.2つの物の混同はないが,物をヒトの言葉で発するという学習が定着していないと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度に続き,本年度もコロナ感染症の影響を受け,実験期間が前半は集中的な実験ができたものの,後半は実験に出向ける日の制限もあり,予定通りの実験が遂行できなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画を見据え,目標の達成を目指すが,少なくとも「動詞の理解」「模倣音の意味の理解」までは進めたい.
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Causes of Carryover |
コロナの影響で実験ができない期間が長かったため,予算の遂行が予定通りに行かなかった. 翌年度は段階的な目標を設定し,そこに向けて計画的な研究の遂行と適切な予算使用をしたい.
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