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2019 Fiscal Year Research-status Report

「表現のうねり」を生みだす熟練ドラム奏者の全身協応―力学系理論による解明

Research Project

Project/Area Number 19K12740
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

古山 宣洋  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20333544)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 三浦 哲都  早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (80723668)
三嶋 博之  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90288051)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords身体協応 / 熟達 / 力学系理論 / ドラム
Outline of Annual Research Achievements

ドラム演奏の熟練者は非熟練者と比べて何が違うのか?本研究は、実際の演奏でも用いられる8ビートを課題とした実験データを集録し、認知科学における熟達研究・力学系理論の観点からドラム熟練者の巧さを描写することを目的とする。具体的には、得られた演奏の音声についてドラム教室講師に熟練度を定量的に評定させることで「熟練度評価データ」を取得し、それに基づいて実験参加者を熟練度別に3分類する。一方 、演奏の正確さと表現性については打間の時間構造・打圧の変動・音響的特徴などの「演奏データ」を、それらを成立させている身体協応については頭部・体幹・両上下肢、床反力中心の変位を含めた「運動データ」を取得し、力学系理論により分析した上で、熟練度評価データ(また は熟練度分類)との関係を解明し、研究目的を達成する。

本研究初年度の今年度については、電子ドラムで8ビートを演奏することを課題とした熟練者と初心者の演奏、ならびに課題遂行時の全身運動を代表する床反力中心(CoP)データに関する解析、および身体部位間の三次元動作データについて相対位相を求めて解析を進め、その結果を国内外の学会で発表した他、COPの成果については論文として発表した。

CoPに着目した論文では、ドラム熟練者の演奏が、正確かつ力強いことが明らかとなった。これは各楽器の演奏データから算出したタップ間間隔の標準偏差、ピークタップ力の平均値・変動係数CVの結果に基づいている。一方、熟練者間においても、スネアドラムやバスドラム演奏のピークタップ力やハイハットの強弱アクセントに違いにあることが示された。こうした熟練者に一貫した特徴や、熟練者間での異なる特徴について運動としてどのように実現されたかを検討したところ、ドラム熟練者の方が、演奏時のCoPの面積が大きく、運動方向も安定しており、この特徴は特にバスドラムの踏み込み直後について顕著であった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2019年度は、研究課題の初年度としてやるべきことはできたと判断している。

一方、2019年度の春季休業(2019年3月)以降、特に2020年度1年間かけて順次実験参加者数を大幅に増やしてデータを取得する予定で準備を進めていたところ、新型コロナ感染症(COVID-19)の影響で、国をはじめ東京都・埼玉県などから外出自粛要請が出されたこと、所属大学においてもキャンパスの立入禁止措置がとられ、現在でも教員・事務職員を除く学生については入校が厳しく制限されていること、つまり本研究で実験対象としているプロおよびアマチュアの演奏家(多くは学外者)を実験室に招き入れることができないことなどにより、実験が実施できない状況が続いており、今後もいつこの状況が改善するかがわからない状況である。このため、今年度の実験実施については大幅な遅延が発生しつつあること、今後もこの遅延がより大きくなることになると判断せざるを得ない。

Strategy for Future Research Activity

本研究にはドラム奏者に大学の実験室に来室してもらい、実験に参加してもらうことを必須としている。今後の外出自粛要請あるいは新たな生活様式の要請が具体的にどのようになるのかによって大学側の対応も変わるものと思われる。そのなかでできることを実施する予定である。

Causes of Carryover

2019年度春季休業中に本実験を開始する準備を進めていたところCOVID-19の拡大により、実験を自粛せざるを得ない状況であったため、実験実施のために執行を予定していた予算(実験参加者謝金など)が余ってしまったことが理由である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] ドラムセット演奏を支える姿勢制御―打圧データと床反力中心データを用いた熟練者と初心者の比較―2019

    • Author(s)
      谷貝祐介, 古山宣洋, 三嶋博之
    • Journal Title

      認知科学

      Volume: 26 Pages: 197-218

    • DOI

      https://doi.org/10.11225/jcss.26.197

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Phase Transitions in Coordination of the Wrist to Other Body Parts at Different Tempi in Professional Drum-set Players2019

    • Author(s)
      Yusuke Yagai, Hiroyuki Mishima, Nobuhiro Furuyama
    • Organizer
      the 20th International Conference on Perception and Action,Groningen,Netherlands.
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 熟練ドラマーの動作解析:演奏速度の違いによる協応構造の変化2019

    • Author(s)
      谷貝祐介・古山宣洋・三嶋博之
    • Organizer
      日本認知科学会第36回大会,P1-09,静岡,9月.

URL: 

Published: 2021-01-27  

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