2023 Fiscal Year Annual Research Report
読書時の未知語の意味推定プロセスの解明と生態学的に妥当な読書効果シミュレーション
Project/Area Number |
19K12741
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
猪原 敬介 北里大学, 一般教育部, 講師 (10733967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 紋佳 岡山大学, 教育学研究科, 特任助教 (60707553) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 読書 / 語彙力 / 文章理解力 / 眼球運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは「読書時の未知語の意味推定プロセスの解明(眼球運動実験)」と「実生活における読書の実態とその効果の解明(調査・シミュレーション)」の2つに大きく分けることができる。2023年度は両者のプロジェクトに一定の進展があった。 前者について,日本認知科学会での学会発表を行うことができた(猪原敬介・上田紋佳. (2023). 日本語長文自然文章による読書からの偶発的語彙学習についての予備的検討. 日本認知科学会第40回大会, 2023.9.7-9.)。以下,結果とその解釈について簡単に述べる。「未知語への総停留時間が長い参加者ほど,読了後に行われた不意打ちの語彙テストでの正答率が高い」という結果については,未知語への気づき,敏感さが語彙学習に影響することを示唆している。「総停留時間の長さは元々の語彙力と文章内容の理解度に影響されており,文章内容の理解度は,元々の語彙力と,それに加えて,文章を楽しむこと,文章に感情を動かすこと,変数に影響されていた」という結果は,ある程度の語彙力が必要であるということと,さらに,読書動機が言語力の伸びに影響するということを示唆している。国語教育などへのメッセージ性のある結果である。今後は論文投稿を目指す。 後者のプロジェクトについて,小・中・高校生の読書活動について大規模縦断調査の二次分析をする機会を得た。こちらは二時点縦断分析を行い,読書が語彙力・読解力の増加に寄与することが示唆されている。すでに国際誌に投稿済みである。 今後,両者の研究成果の公開に力を注ぐつもりである。
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