2020 Fiscal Year Research-status Report
Design analysis for paediatric pulmonary heart valve in low Raynolds number hemodynamics with high speed imaging
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19K12748
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白石 泰之 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (00329137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 正明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40182422)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 循環器病学 / 先天性心疾患 / 心臓代用弁 / 血行動態シミュレーション / 安全性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性心疾患治療に対応する右心系血液循環シミュレータの評価試験系と新たな弁葉応答リアルタイム動解析システムによるePTFE弁葉形状と流入時の低レイノルズ数域における定量応答を、弁葉挙動拍動試験装置と高速度水中digital image correlation (DIC)法による弁葉曲面解析を実施することを目的として研究を行った。この拍動試験装置での加速試験により弁葉形態の及ぼす長期繰り返し応力による高分子材料の石灰化メカニズムの解明に挑戦する。本法の医工学-医用 物理学解析による小児用心臓弁の最適化は、臨床使用10年を経て明らかとなった長期成績の臨床知見からの喫緊の解決すべきものとして国際的臨床ニーズに応えるものである。小児の重症心不全治療に対しては、現在のところ心臓移植のほかに長期循環補助を実現する代替手段はない。本研究では、基盤研究(B)および国際共同研究加速基金により創生された小児先天性心疾患治療プラットフォームの展開としてナノテク形状記憶合金線維を応用した小児の重症心不全治療にも適用できる超小型の埋込型人工心筋システムと新しいBulging sinus付ePTFE製肺動脈弁の国際標準の安全性有効性評価を、国際連携による平成28年竣工の東北大学加齢医学研究所非臨床試験推進センター機能の非臨床試験「解析」「実機シミュレーシン」「動物試験」によって行うこととした。研究期間中に、開発・臨床使用中のePTFE製弁の実時間高速度応答解析を高度に肺循環を模擬した弁シミュレーターの高速度撮影と医用物理学による流体―弁葉応答解析により弁葉形状の最適化プラットフォームを構築し、臨床設計の基盤となる方法論を確立することを目標とし、本年度は評価系のさらなう効率化高精度解析化を目指し、三弁同時計測による低レイノルズ負荷時の各弁挙動の相互作用も評価可能とするシステム改良を行い得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
高速度画像解析システムによる弁葉可視化と解析において、システム装置の3次元3方向同時可視化を3台の撮像装置データから復元することが可能となった。従来の方法論では、1つの対象物を2台以上の複数カメラで撮像し、DIC手法を用いて変形を取得する方法が一般的であったが、本法では、対象360度を3方向からの回転ベクトル画像を取得する新たな手法を用いることで少ない歪みで同等の解析を行いうることが示された。長期使用においては、これらの指標と弁葉ストレス解析を元に弁形態だけでなく心拍出機能との相互作用を含めて血行力学的に評価できる可能性が示されており、新たな進捗を得たと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
低レイノルズ領域において高分子製肺動脈弁の挙動を人工臓器学、医工学、医用物理学的に詳細を解析した例は他になく、長期使用を考慮した人工肺動脈弁の使用においては、これらの設計指標だけでなく安全性も考慮した最適化が可能となる。現在、医用物理学の海外研究者と共同で、実験データ解析に基づく弁葉周辺の流速解析手法を構築中であり、国際的な循環補助における医療機器の安全性評価につながるものと期待される。さらに、低レイノルズ数負荷による薄膜変形についての数値解析方法論、実験データ評価方法論が確立できれば、多くの再生組織による材料物性評価にもつながることが考えられ、一様高分子材料を用いた本研究成果を新たな医療機器の非臨床評価指標につなげるべくデータ収集と試験評価系のプラットフォームとしての指針の確立を進める。
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Causes of Carryover |
海外との共同研究実施において、渡航来日して打ち合わせを実施する費用を計上していたが、当該研究者が来日不可能となり、また渡航打ち合わせも行えなかったため支出に差異が生じた。また物品費に計上した解析システムについては、開発中の評価系が研究期間内でさらに高機能化しうることに対応するべくシステム付帯の独自開発装置部分との整合性を検討し次年度早期に導入を検討している。
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Research Products
(14 results)