2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of oral function evaluation system integrating three-dimensional tooth axis, alignment and jaw movement using by cone-beam CT
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19K12752
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坂本 信 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80215657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 剛 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (30277610)
田邊 裕治 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60143020)
小林 公一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70296317)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歯科 / 歯列 / 歯軸 / CBCT / バイオメカニクス / 三次元口腔内座標 / 顎運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯の配列を示す歯列弓は,口腔横断面内において,切歯の切縁,犬歯の尖頭,そして 臼歯の頬側咬頭の尖頭を通る平面内の曲線と定義されている.現在の歯列の求め方は,初めに研究対象者の口腔内模型をキャスティングにより作成し,その後にデジタルノギスによる測定等が一般的である.しかし,これらの方法では横断面内における歯列を二次元的に表現しており,横断面外に位置する歯軸の情報は含むことはできない.さらに,この種の測定法では検者間誤差が生じやすく,上下顎歯の位置関係を正確に知ることはできないという大きな欠点があるそこで今年度の研究では,正常咬合者である成人8名の上下顎骨を撮影したコーンビームCT画像を用い,上下顎骨にある3点の解剖学的特徴点から口腔内に三次元ワールド座標系を構築し,全ての歯の三次元モデルを作成した.各歯モデルに対し主成分分析法から得られる長軸方向の成分から歯軸を求めるとともに,形状重心(COG)を計算的に求めた.空間内のCOGと歯軸をワールド座標系の3平面に投影して歯列と歯軸を表現した. 研究の対象は正常咬合者であることから,歯列を回帰する関数は歯列の対称性を考慮して,横断面と冠状面はCOGからの歯列を偶関数のn 次多項式(n = 2, 4, 6, 8)で回帰した.また,矢状面の歯列は対称性を有しないために,一般の多項式の回帰曲線(n =2~4)の適用を行った.その結果,上下顎歯に対して横断面では4次偶多項式,冠状面では6次偶多項式を用いてそれぞれ十分に表現でき,矢状面では3次多項式で示すことが可能であることを示した. なお,本研究は,JST知的財産マネジメント推進部支援による米国特許出願に採用された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度には,初めにCBCT画像から上下顎歯の三次元歯軸および歯列の測定・解析を行う.これまでの三次元歯軸を求める方法は,測定対象とする歯1本のCBCT画像から,三次元医用画像構築ソフトを使用して,歯根と顎骨を手動で分離して歯の三次元モデルを各々作成した後に,三次元主成分分析法により歯の長軸方向の主成分である三次元歯軸および重心をそれぞれ計算により求めていた(7)~(11).現段階の本手法では,歯根部と顎骨をCT画像上で手動により分離しているために,歯1本の三次元モデルを作成するために20分程度の労力が必要であり,歯軸の決定は完全自動とは言えない段階である.そのために,歯根部と顎骨を自動分離する画像解析手法を開発することが目標であった.当初は,被検者20名程度の歯軸と歯列を求める予定であったが,現段階で16名の解析が終了した.さらに顎運動解析の予備実験を進めており,本課題は,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
2020~2021年度には,2019年度で製作した自動歯軸,歯列,顎運動解析システムを用いて被検者20名の測定と解析を行う.ここでは特に,歯軸と歯列の関係等を表す適切な数学的表現法を検討し,歯軸・歯列の個人分類評価を行う.また,全歯の形態情報を含む顎運動解析(限界運動,開閉口運動,咀嚼運動)を行い,これまで正確に求めることが困難であった三次元咬合接触状態や顎関節の動態等を明らかにする.研究最終年度には,これらの測定・解析手法を一般の歯科医師が使用しやすいユニットへと統合し,臨床歯科において広く使用されるシステムを開発する予定である.
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Causes of Carryover |
顎運動解析の予備実験等で使用する消耗品が次年度に必要なため.
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Research Products
(3 results)