2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel diffusion magnetic resonance imaging for detecting cerebral interstitial fluid flow and investigation of human glymphatic system
Project/Area Number |
19K12767
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
梅沢 栄三 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (50318359)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ベイズ推定 / 拡散 / MRI / 尖度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナ感染拡大に伴い当該研究以外の業務が激増したことと、主な実験施設である本学大学病院におけるボランティア撮像実験が困難になったことにより、予定していた準備的撮像実験等が実施できなかった。このため、本年度中は、現時点までの研究成果を論文にして投稿することと、論文査読者との意見交換の過程で必要性が分かった追加の数値実験の実施を主に行った。 拡散 MRI の新手法である拡散尖度画像法にベイズ推定法を適用して統計誤差を削減する新しいアプローチを提案して論文に発表した。尖度は生体組織の微視的構造の違いなどを反映して値が変わるので、MRI で測定した尖度によって生体組織の微視的構造を検知できる。しかし、従来の方法では尖度の推定には大きな統計誤差が含まれていた。ベイズ推定法を適用することによってこの誤差を低減できることが明らかになった。 当初、この統計誤差の削減に伴って、生体内の状態に依存して変化する尖度の違いが検出できなくなるという“誤った均質化”が危惧された。しかし、脳腫瘍の悪性度の鑑別を例に調べて結果、提案したベイズ推定法ではこの誤った均質化が起きない事が分かった。 ベイズ推定では、統計誤差削減と誤った均質化はトレードオフの関係になることが多い。従来のベイズ推定法では、このトレードオフを調整するパラメータの決定が難しく、またそのパラメータの決定が恣意的になることが問題となる場合があった。しかし、提案法によれば、このパラメータ決定に相当することが、測定データから得られる情報のみを用いて自動的かつ恣意性なしに行うことができる。本論文では、ベイズ推定法を拡散尖度画像法に適用し、その方法の評価を脳腫瘍の悪性度の鑑別について行ったが、本研究費の直接のテーマである、脳間質液流の速度を MRI で検知する方法にベイズ推定を適用する際にも、論文で提案した方法は適用できるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大により当該研究以外の業務が激増したこと、及び、主な実験施設である本学大学病院におけるボランティア撮像実験が困難になったことにより、予定していた準備的撮像実験等が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では2021年度が研究の最終年度ではあるが、1年間の延期を申請する予定である。2020年度は研究費の執行率はゼロであった。2021年度には、2020年度に予定していた研究を主に行い、研究計画を全体的に1年間、先送りする予定である。撮像実験のための健常ボランティアを募集することは、1年間先送りにしたとしても困難であることが予想される。その場合には、ボランティア被験者数を少なくし、その不足分を数値実験によりカバーすることを検討する。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナ感染拡大により本研究計画以外の業務が激増し、また計画していた健常ボランティア撮像実験が実施できなかった。このため、2020年度に予定していた研究費の執行率がゼロになった。2020年度に計画していた研究を、2020年度の研究費を使って、2021年度に実行する計画である。また、研究終了年度を1年間延ばす予定である。
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Research Products
(1 results)