2019 Fiscal Year Research-status Report
早期軟骨病変に対する3次元軟骨定量評価法に関する研究
Project/Area Number |
19K12789
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
小川 宗宏 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30597109)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | T1rhoマッピング / 診断能 / 軟骨定量評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節障害に対する正確な診断、有効性の高い治療介入や治療効果判定には、早期病態から関節障害を鋭敏かつ高精度に評価できる定量的な関節軟骨評価法の開発と普及が望まれる。近年、軟骨基質の組成や構造の変化などを鋭敏に捉えることが可能なMRI撮像法が開発され、初期の関節症性変化で起こるプロテオグリカン(PG)の減少を反映すると報告されているT1rhoマッピングが注目されている。しかし従来の2次元評価では小範囲の関節障害部位の評価やその広がりを評価しえない可能性があり、膝関節の早期軟骨病変の診断精度の向上を目的として申請者らは世界に先駆けてT1rho マッピングを用いた3次元再構成評価法を考案し、本研究において本手法の妥当性を検討し、診断能とともに本評価法の臨床的有用性を明らかにすることを目的としている。 臨床的有用性の検証においては、前十字靭帯(anterior cruciate ligament:ACL)損傷患者や変形性膝関節症の高位脛骨骨切り術の手術施行前と抜釘術時における手術時の軟骨変性評価と術前後のMRI評価との相関性を検討しており、計測再現性や診断能を解析している。すでに目標症例の半分以上のデータを取得できており、報告に値する計測再現性、診断能であることを確認している。コロナウイルスの影響で手術を延期せざるを得ない状況であり、今後解析は遅れる可能性がある。 画像評価の妥当性の検証においては、人工膝関節置換術の際に採取された膝関節の軟骨組織標本の染色による評価とT1rho値との相関を検討し、画像評価の妥当性を明らかにする予定であるが、コロナウイルスの影響で手術を延期せざるを得ない状況であり、組織評価はすすんでおらず、今後解析は遅れる可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルスの影響で手術を延期せざるを得ない状況であり、収束が予想できない状況のため、症例からのデータ取得が遅れている。収束後、迅速にデータを取得し、データ解析していく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルスの影響が収束し、手術ができるようになれば、準備は整っているため、予定期間内に、データ解析、研究報告は可能であると考えている。それまでは過去に得られたデータからの解析をすすめていく。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響により、予定した症例のデータを取得できていないため、組織評価がすすんでいない状況であるが、収束後迅速に対応していく予定であるため、次年度に持ち越す予定である。
|