2019 Fiscal Year Research-status Report
血管内ステントの内皮化促進のためのMuse細胞による再生治療
Project/Area Number |
19K12797
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
細山 勝寛 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70837046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
鈴木 佑輔 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70791698)
熊谷 紀一郎 東北大学, 大学病院, 講師 (80396564)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大血管外科 / 血管内治療 / Muse細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管疾患では冠動脈病変や末梢動脈疾患,大動脈瘤に対して血管内ステント治療が行われるが,血栓塞栓症やステント内再狭窄,動脈瘤縮小効果などその治療効果においては改善の余地が残されている.使用されるステントの種類はそれぞれだが,共通する治療戦略的課題は“標的病変の良好な組織修復”である.本研究においてはステント治療とMuse細胞(Multilineage-differentiating stress enduring cells)を組み合わせることで,ステント内腔の速やかな内皮化を実現し,その組織修復効果と抗炎症作用から慢性的な血管壁損傷に起因する血栓症やステント再狭窄などの合併症を改善することを目的とした.Muse細胞はユニークな障害組織遊走能及び自発分化能を持つ幹細胞であり,これまでに大動脈瘤モデル,心筋梗塞モデルにおいて血管内皮細胞への自発分化が確認されている.また,スフィンゴシン1リン酸(S1P)受容体2(S1PR2)を発現しており,組織炎症により産生されたS1Pを認識し遊走することが明らかとなっている.本研究ではステント内腔をS1Pアゴニストでコーティングすることでより効率的なMuse細胞の遊走・生着を目指した.これに先立ち,ステントのS1Pによるコーティングを行った.ステントは市販のBMSを使用し,S1PR2特異的アゴニスト(SID46371153)をultrasonic flux法ステントコーティングシステムによりステント内腔にコーティングし作成した.S1Pアゴニストはエタノール溶解によりスプレー溶液とした.ステント作成後にアゴニストのstability assayを行ったところ,安定したコーティング効率が得られなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ステントは市販のBMS(Yukon Choice;, Translumina, Hechingen, Germany)を使用し,S1PR2特異的アゴニストをultrasonic flux法ステントコーティングシステム(MediCoat Stent Coating System, SonoTek) によりステント内腔にコーティングし作成した(BMS-S1P).S1Pアゴニストはエタノール溶解によりスプレー溶液とした.ステント作成後にアゴニストのstability assayを行い,コーティング効率を判定したところ,安定したコーティング効率が得られなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
コーティング効率の安定化を目指して,S1P溶液の溶媒の種類や濃度などについて再検討する必要が生じ,現在検討中である.また,これまではbiocompatibilityの点からポリマーフリーのコーティングを第一選択としたが,今後はPLGA(poly(lactic-co-glycolic acid))などの生体吸収性ポリマーの使用も検討する.
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Causes of Carryover |
効率的に研究を行った結果次年度使用額が生じたが,引き続き本研究の消耗品購入に充てる.
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