2019 Fiscal Year Research-status Report
免疫細胞を含む三次元培養皮膚モデルの構築と皮膚感作性試験法の開発
Project/Area Number |
19K12802
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤木 隆美 大阪大学, 生命機能研究科, 特任准教授(常勤) (00527236)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 組織工学 / 三次元生体組織 / 皮膚モデル / 動物実験代替法 / 交互積層 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞表面に細胞外マトリックス(ECM)からなるナノ薄膜を形成することで三次元組織体が構築可能な細胞積層(LbL)技術を用いて、血管、リンパ管、免疫細胞などの付属器を含む真皮層・表皮層からなる三次元培養皮膚モデル(LbL-3D Skin)を構築する。得られた皮膚モデルを用いて、動物実験代替システムとしての医薬品・化粧品・化成品の安全性、有効性評価に対する基盤技術を確立する。初年度においては、血管網含有LbL-3D Skinの構造と機能について評価を行った。フィブロネクチン(FN)とゼラチン(G)を交互積層したヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)とヒト血管内皮細胞(HUVEC)を共培養し、所定日数培養後、NHDF積層体上(真皮層モデル)にヒト正常ケラチノサイト(KC)を播種し、気液界面にさらすことで、KCを分化誘導させた。得られた組織を免疫染色により構造を確認した結果、線維芽細胞からなる真皮層に血管網が認められ、KCの分化誘導に伴う階層構造(角質層、顆粒層、有棘層、基底層)を有する表皮層が観察された。構築した血管網は、約2週間程度は安定であったが、長期培養により徐々に血管網が消失することが明らかとなった。また、真皮層を構築する際に、免疫細胞であるマスト細胞と共培養を行うことで、真皮層にマスト細胞を含有するLbL-3D Skinが構築可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、LbL-3D Skinの真皮層に脈管系として血管およぶリンパ管、免疫担当細胞として樹状細胞を導入した皮膚モデルを構築してきた。しかしながら、血管網含有LbL-3D Skinにおいて、その長期培養に対する安定性に問題があることが明らかとなり、細胞ソースや培養条件を検討することで、長期培養可能な血管網含有LbL-3D Skinの構築を目指す。マスト細胞含有LbL-3D Skinに関しては、今後、構造と機能に関する評価を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、研究課題を推進する。また、LbL-3D Skinの皮膚刺激性試験としてのテストガイドライン化を目指す。
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[Presentation] 交互積層細胞コーティング技術を用いた三次元全層皮膚モデルの安定構築と皮膚刺激性試験代替法のバリデーション研究2019
Author(s)
赤木隆美, 村上将登, 宮崎裕美, 田口浩之, 池田英史, 加藤雅一, 山田知美, Simona Mura, Patrick Couvreur, 足利 太可雄, 小島 肇, 明石 満
Organizer
第68回高分子討論会
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[Presentation] 交互積層細胞コーティング技術を用いた三次元全層皮膚モデルの構築と皮膚刺激性試験バリデーション研究2019
Author(s)
赤木隆美, 村上将登, 宮崎裕美, 田口浩之, 池田英史, 加藤雅一, 山田知美, Simona Mura, Patrick Couvreur, 足利 太可雄, 小島 肇, 明石 満
Organizer
日本動物実験代替法学会第32回大会