2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of elucidation of therapeutic approaches and pathological mechanisms for tissue fibrosis using glycoside-bearing polymers
Project/Area Number |
19K12804
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊勢 裕彦 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (10324253)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 線維化 / ビメンチン / デスミン / 糖鎖 / N-アセチルグルコサミン / 糖鎖高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにAC-GlcNAc10が、筋線維芽細胞に対して細胞表面ビメンチン・デスミンを介して様々な抗線維化効果を誘導することを見出してきた。特に抗線維化効果を有する因子として、マトリックスメタロプロテアーゼ1(MMP1)やスーパーオキサイドジスムターゼ2(SOD2)、ヘムオキシゲナーゼ1(HMOX1)、アンジオポエチン様4(ANGPTL4)などの高発現が観察された。これらの因子は、筋線維芽細胞や活性化星細胞のコラーゲン蓄積の分解や酸化ストレスに対する保護作用が知られており、線維化改善効果が期待される。本年度では、このAC-GlcNAc10の線維化抑制効果を四塩化炭素誘導肝線維化モデルマウスに用いて検証した。四塩化炭素をマウスに週2回、5週間及び8週間投与し肝線維化誘導した。この四塩化炭素誘導肝線維化モデルマウスにAC-GlcNAc10を投与して線維化改善効果をαSMA発現やコラーゲン蓄積を検討した。その結果、AC-GlcNAc10を投与したところ、線維化肝臓内でαSMA発現とコラーゲン蓄積が低下することが明らかになった。また蛍光ラベルしたAC-GlcNAc10を肝線維化モデルマウスに投与したところ、線維化肝臓のデスミン陽性の活性化星細胞に相互作用していることが見出された。このことから、AC-GlcNAc10は、線維化肝臓内の増勢した活性化星細胞に対して選択的に相互作用することが明らかになった。そして、AC-GlcNAc10を投与したマウスの線維化肝臓内では、MMP1やSOD2、HMOX1、ANGPTL4の発現が検出され、これらの因子によって肝線維化の改善が誘導されていることが示唆された。
|
Research Products
(4 results)