2019 Fiscal Year Research-status Report
人工perifascial areolar tissue開発に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
19K12809
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
宮永 亨 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60566868)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 譲 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10257678)
蛯沢 克己 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20397459)
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
米倉 秀人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80240373)
高成 啓介 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80378190)
吉冨 泰央 金沢医科大学, 医学部, 講師 (80399039)
宮永 葵子 金沢医科大学, 看護学部, 助教 (80782367)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | PAT / 血管網 / プロテオグリカン / コラーゲン線維 |
Outline of Annual Research Achievements |
腱・骨・軟骨のような乏血流組織が露出する創は難治であり四肢の広範囲外傷・熱傷の他、糖尿病性潰瘍や虚血性潰瘍に生じることが多い。PATは血流豊富な血管網を有する粗性結合組織であり、大腿部や下腹部の筋膜上に存在する。従来の手術治療では難治であった腱・骨露出創に対し、早期に治癒させることが可能である。ドナー採取量の限界や糖尿病のような創治癒遅延患者のドナー治癒遅延の問題がある。また、採取量に限界があり適応疾患も限定される。したがって本研究の学術的問いは、『ドナーを必要とせず、豊富な移植材料が得られる人工PATを作製できないか?』である。 研究実施計画にでは2段階にわけて行う予定である。 今回は初年度であるため、1) PAT内の細胞および組成解析を行った。まずは、本施設IRBの承認を得るための書類を作成し承認を得た。承認後にPAT移植もしくは腹部皮弁を施行予定の患者がいた際に、本人に同意を得てPATの一部を本研究に提供して頂いた。現在は2名の患者によるPATの提供を頂いている。PATの一部はパラフィン切片として組織学的に評価した。一部は分子質量分析(LCMS/MS)により定性および定量解析を行った。同様に3週齢の雄の白色家兎のPATを採取し組織学的評価および分子質量分析を行った。ヒトのPATの組織染色は、弾性線維が豊富な膠原繊維を有する薄い疎性結合組織の上下に脂肪組織が存在し、その中を毛細血管網が水平に走行していた。またウサギの組織切片は現在解析中である。ヒト、ウサギともに分子質量解析を行い、豊富なコラーゲン1型を含めたコラーゲン線維と豊富で多種なプロテオグリカンが抽出された。また血管系や間質系の細胞が豊富に存在していた。多種のサイトカインも抽出され、現在解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理委員会の承認が遅れたため、やや遅れているがおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画書にはない今後の推進方策は、ヒトと同様な解析をウサギにも同時に行い、その差異や特異性などを検討する。また、分子質量分析の結果から、人工的にプロテオグリカンやコラーゲンを結合させ、人工的細胞外マトリックスを作成する。凍結保存してあるヒトPATの蛋白解析や遺伝子解析をすすめる。組織切片の免疫化学染色を追加する。
|
Causes of Carryover |
研究計画書の倫理委員会承認の遅れによって生じたため。 次年度使用額は予定通りの治療計画と、追加した研究計画に使用する。
|