2019 Fiscal Year Research-status Report
Proposal of high precision multidimensional measurement of tongue mucosa under arbitrary environment based on time-domain correlation imaging method
Project/Area Number |
19K12817
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中口 俊哉 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (20361412)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 舌診断 / 時間相関イメージング / 分光画像 / 形状計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は舌粘膜を非接触的かつ高精度多次元的に記録・解析する新しい手法を提案し,時間相関イメージング法の多重化により立体形状・分光特性・時系列変化の多種尺度を単一システムで同時的かつ瞬時に非接触計測する5次元イメージング法を構築することを目指している.また,光源を変調することにより周囲光源環境の影響を除外し,任意の位置・姿勢における舌粘膜記録の課題を解決する. 初年度は時間相関イメージング法に基づいた撮影システムの開発に着手した.時間相関センサはリコーエレメックス社DCI2を選定した.複数の光源を駆動制御する光源駆動回路,時間相関センサと光源をハードウェアレベルで同期する回路を本研究で独自に開発し,イメージングデータの取得と全体制御は高速演算ワークステーションで行う計画であったが,後の進捗状況で報告するとおり,予算の問題から光源設計は次年度に見送ることとなった.入手した時間相関センサの制御システムの設計を行った.メインPCとイメージセンサの間に,ハードウェア制御用のマイコンを配置して,リアルタイムで安定した制御を実現した.また,光源の最適配置を決定するためのソフトウェアシミュレータを構築した.一般物体での検証から開始して,舌の光沢除去,立体形状計測に最適な撮影条件をソフトウェアシミュレータを用いて検討した. 2019年度の実績として関連の原著論文を2件発表し,1件の国際会議発表,3件の国内での講演(1件の招待講演を含む)を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の主体となる時間相関イメージング撮影装置の予算250万円を含め,申請時には平成31年度予算を295万円計上していたが,採択時の31年度予算は総額で200万円にまで減額された. 時間相関イメージング撮影装置は特殊な撮影装置で他に替えがなく,購入できなければ研究遂行が大変難しくなる危機的状況を迎えたが,メーカーとの交渉により,イメージングセンサ単体を予算内で購入することができた. なお,時間相関イメージング撮影装置には,専用の光源を設計する必要があり,光源設計費用については平成31年度予算で工面できなかったため,令和2年度の研究計画に移行して研究を進める. 以上の光源設計を次年度に繰り越したことより,進捗状況区分は「やや遅れている」とした.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は初年度からの引き継ぎ事項として照明設計に着手する.また時間相関イメージング法に基づく5次元イメージング法を確立する.これは空間軸(3次元),色彩軸(1次元),時間軸(1次元)の5次元尺度記録を単一システムで実現する手法である.提案アルゴリズムをワークステーションで実行する制御ソフトウェアも独自で開発する.まず,N箇所の多方向照明によるN枚の撮影から照度差ステレオ法に基づく撮影対象の形状復元を行う.照度差ステレオ法は光源方向の違いによって生じる陰影から物体表面の法線分布を推定することができる.法線分布を積分合成することで舌表面の三次元形状を構築する.ここでの課題として,舌は口腔から突出して空間的な配置が複雑であるため,十分な照明が得られない箇所が部分的に発生する.一部の法線情報の欠損が積分合成に大きく影響するため,欠損箇所の補間アルゴリズムを検討する. 次にマルチバンド照明による複数の撮影から分光計測法を開発する.1方向の光源ユニット内にM個のピーク波長が異なる複数の狭帯域波長の発光素子を配置する.発光素子の輝度を時間的に変化させ,そのタイミングは時間相関センサと同期すると共に,波長が異なるM個の光源間の輝度変化の位相を(360/M)度ずつシフトさせることで,各波長で照明した撮影画像を分離記録する.
|
Causes of Carryover |
今年度の研究計画に必要な経費は全て計上した結果1056円の残額が発生した.この額は次年度使用としたい.次年度はこの額を合算して,照明光設計経費に充当する.
|