2020 Fiscal Year Research-status Report
Proposal of high precision multidimensional measurement of tongue mucosa under arbitrary environment based on time-domain correlation imaging method
Project/Area Number |
19K12817
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中口 俊哉 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (20361412)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 舌診断 / 時間相関イメージング / 分光画像 / 形状計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は2019年度からの引き継ぎ事項として照明設計に着手した.本研究で用いる照度差ステレオ法は,観測方向が固定で,光源方向の異なる3枚以上の画像の陰影から物体表面の法線を算出する手法である.照度差ステレオ法の最大の特徴は,撮影された画像の画素単位で法線を推定可能であるため,空間的に高分解能な形状推定が可能な点である.本研究では,舌形状に関する所見の1つである裂紋に着目する.裂紋は,舌体に表れる微細な形状特徴である.そのため,本研究では,照度差ステレオ法による計測を提案した.最適な光源配置をシミュレーション実験によって検討した結果,8方向以上で安定して高い精度が得られることが判明した.そこで照明方向8方向と4種類の波長の光源を同時に記録できる照明を開発した.照明はカメラレンズの周囲に45度ずつ回転するように配置した.次に時間相関イメージング法に基づいて空間軸,色彩軸,時間軸の5次元尺度記録を単一システムで実現する5次元イメージング法とその制御ソフトウェアを実装した.本研究では,法線算出方法にIRF(Inter-Relationship Function)とTPR(Truncated Photometric Ratio Approach)を導入した.IRFとは各画像から得られた輝度値から信頼性の高い輝度値を選択する手法で,影領域などの外れ値を除去できる.TPRとは,信頼性の低い方程式の除去を行う法線算出方法で,輝度値では判別できない外れ値を除去できる.提案手法による三次元形状計測精度を検証した結果,0.2mmまでの凹凸を検出できることを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた照明装置の設計と実装,また照明と時間相関イメージングカメラを組み合わせた照度差ステレオ形状計測アルゴリズムを実装し,形状計測精度の検証実験まで完了できた.
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は5次元イメージング法で撮影した3次元形状と分光画像の計測精度評価を実施する.最初に固形の評価ファントムを作成して立体形状と分光記録の客観性能評価を実施する.さらに半透明シリコン外皮で覆った柔軟体舌形状ファントムを作成し,舌の動きを模した運動機構と色の可変機構を内蔵する.このファントムを用いて経時的形状と分光計測精度を評価する.また,5次元イメージング法による分光画像記録は複数の波長光源を組み合わせたマルチバンド撮影が基本となるため舌表面粘膜の分光特性を代表する波長を特定する必要がある.波長選定の基礎データとして,高精度ハイパースペクトルカメラを用いた舌表面の分光画像サンプルを収集する.ハイパースペクトルカメラは撮影対象の動きに弱いため,研究代表者が発案した舌固定補助装置を活用した撮影システムを構築する.研究協力者の並木隆雄准教授の協力を得て平成33年度中に20代から60代まで健常者30名,および千葉大学附属病院外来患者10名の計40名より120サンプルの舌表面分光画像を収集する.上記で収集した舌表面の分光画像基礎データセットから舌の分光的特徴を解析し,5次元イメージング法で用いる波長の選定を行う.同一被験者から複数回のサンプルを実施することで,個体間差と個体内変動を分離して解析する.多変量分析に基づく分光特性解析を行い舌粘膜の状態と高い関連を持ち,その変化を顕著に反映する波長を特定する.より低次の表現が好ましく可能であれば4波長程度,最大でも6波長程度を選定し,分光計測精度98%以上を目指す.
|