2019 Fiscal Year Research-status Report
フレキシブルアレイセンサにおける変形形状の推定および画像化
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19K12826
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田邉 将之 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (00613374)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超音波 / プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では超音波フレキシブルプローブを用いて、①生体模擬ファントムから取得したエコー情報を元にプローブの形状を推定する。次に、得られたエコーとプローブ形状の情報を統合し、高精細な画像を生成する。この時、②素子間隔の広さを補間するために圧縮センシングを適用しイメージングを行う。これにより、素子間隔の狭いアレイプローブを仮想的に得ることができ、高精細でグレーティングローブが抑制された画像が得られる。さらに、 ③深層学習をベースにプローブの形状、イメージング対象とそのエコー情報を既知の教師データとして学習させることで、プローブ形状の推定から画像化までを一挙に行いグレーティングローブのない画像を生成する。 初年度は、本研究目的の1つであるプローブの形状推定を主に行った。申請時は解析のために高性能GPUマシンを購入する予定であったが、内定した予算内で実施するため、 クラウド型のマシンをレンタルすることでハイパフォーマンスコンピューティングを実現させた。 シミュレーションにより変形したプローブの両端から超音波を照射し、プローブの形状を波長以下の精度で推定することを示した。その際、変形したプローブの素子間に音速の異なる媒質が存在したり、遮蔽物があったりした場合における推定精度の劣化についても評価を行った。また、推定した形状の情報を活用して超音波送信ビームをフォーカスさせることができることも確認した。今後は形状推定をイメージングを同時に行う手法を検討する予定である。 また、素子間隔の広さによって生じるグレーティングローブを抑制するためのビームフォーミング信号処理について基礎検討を行い、評価実験を行った。その結果、大幅な空間分解能の改善が見られたが、計算量の増大が問題として残った。これは次年度の課題とし、圧縮センシングと共に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画で掲げていた研究項目3つのうちの1つである、プローブの変形形状推定について解決の目処がたった。精度向上を図つつ、他の項目についても検討を始めており、問題なく進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も予定通り、シミュレーションを用いて超音波フレキシブルプローブによるイメージングを目指す。一部、実際のフレキシブルプローブを用いた実験環境が整った際には、実験による評価を実施予定である。
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Causes of Carryover |
物品費は、高性能GPUマシンを購入する予定であったが、内定した予算内で実施するために、 クラウド型のマシンをレンタルすることでハイパフォーマンスコンピューティングを実現させた。次年度も同様にクラウド型のマシンをレンタル予定である。機械学習のアノテーション作業に人件費を充てる予定だったら、次年度に移行することとした。
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