2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of automated retinopathy lesion detection based on deep learning in small samples
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19K12827
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
畑中 裕司 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (00353277)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 網膜症 / 糖尿病網膜症 / 高血圧症 / 血管解析 / 病変検出 / CNN / GAN / Capsule Network |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、深層学習を用いた網膜症病変の自動検出処理の開発を最終目標とする。本年度は、深層畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いて、糖尿病網膜症の代表的な所見である硬性白斑の自動検出処理の開発を進めた。一般に、医用画像では病変画像の枚数の少なさが課題となるため、敵対的生成ネットワーク(GAN)による画像の水増しを試みた。具体的には、WGAN-GP(Wasserstein GAN-Gradient Penalty)とCramer-GANを適用している。本物の病変画像3,000枚と生成画像3,000枚をHaralik特徴によるt-SNEを用いた特徴マップで比較したところ、何れの方法も特徴マップの違いは見られなかった。さらに、Cramer-GANによる生成画像30,000枚と非硬性白斑画像30,000を用いてCNNを学習させたところ、Accuracyが0.83であった。実際の画像だけを用いて学習したCNNのAccuracyが0.90であったことから、Cramer-GANで生成された画像は、T-SNEでは現れない実際の画像との違いがあることがわかった。 また、深層学習を用いた網膜血管病変の検出を目指した研究にも着手し始めた。網膜血管は走行方向が重要な要素であるが、CNNは回転依存性がないことが課題となる。そこで、本年度は位置情報が保持されるCapsule Network(CapsNet)の適用可能性について検討した。初期検討として、網膜血管画像の代わりにキュウリ画像を用い、2,475枚を用いて9クラス分類するCapsNetを学習させた。495枚で評価したとき、CapsNetの分類精度が0.90であった。CNNの代表例であるResNet-101でも同様の実験を行ったとき、分類精度が0.82であった。以上より、CapsNetの網膜血管への適用可能性を示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の申請時に、データオーギュメンテーションと位置情報を考慮した深層学習処理の検討を初年度の研究として計画していた。データオーギュメンテーションについては、W-GAN-GPとCramer-GANによる病変画像の生成処理について検討し、視覚的には違和感のない病変画像を生成できることがわかった。また、人間が見るだけではわからない実際の画像との違いがあるという課題が分かったことも成果である。 位置情報を考慮した深層学習の手法として提案されたCapsNetを実装し、血管のように細長い形状をなすキュウリ画像で性能評価を行った。この結果として、CapsNetが血管のような線構造パターンの分類に適していることがわかった。 以上のことから、計画通りに研究が進んでいると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
データオーギュメンテーションについては、GANによる生成画像と実画像との違いを定量的に解析すること、およびその原因を調査する必要がある。GANによるデータオーギュメンテーションがCNNに寄与している研究報告が存在していることから、文献調査も引き続き行う。また、CapsNetについては、実際の網膜血管画像への適用を試みる。 本研究の申請段階では、糖尿病網膜症と高血圧性眼底への適用を計画していた。網膜の損傷は、眼の中の炎症が関係することから、眼の炎症であるぶどう膜炎に関する異常部位の検出も必要であることがわかってきた。今後はぶどう膜炎についても検討する。
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Causes of Carryover |
配分額が申請額よりも少ないため、既存設備の活用により、初年度はファイルサーバの購入を見送った。また、オープンソースの活用により、深層学習の検討を進め、減額分を補った。これらより、配分額を下回るに至った。 ファイルサーバについては購入の必要があるため、次年度に安価で安定した機材を調査して購入する。
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Research Products
(9 results)