2021 Fiscal Year Annual Research Report
内視鏡組み込み用の破断しない生体適応型赤外光中空ファイバ
Project/Area Number |
19K12833
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
高久 裕之 仙台高等専門学校, 総合工学科, 研究員 (20705016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 克全 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (10361130)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中空ファイバ / 赤外レーザ光 / 先端機能デバイス / レーザ治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃がんの腫瘍除去に、国産技術の内視鏡、ならびに赤外レーザを用いた治療法が最近、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の事業テーマとなり、レーザ内視鏡治療は現実のものに進展し、更なる展開・高度化が期待されている。その中でのキーとなる技術は、体内に挿入しても決して破壊しない、安全・安心なレーザ伝送路の開発である。 本研究では、この要求に応えるために、内視鏡の可動範囲 、半径15 mmの曲げ、長さ2m程度に適応でき、疲労限界内では決して破壊しない赤外光伝送路として、「無毒」、「耐腐食性」、「生体適合性」、「再利用可能」の特長を有する、内径530μmのニッケルチタンパイプを母材とする中空ファイバを開発することを目的とする。伝送目的とするレーザ光は、低出力でも優れた切開能力を有するEr:YAGレーザ光、止血能力のあるCO2レーザ光、ならびに照射治療部を視認するための緑色LD光である。 令和元年度は、太径銀中空Ni-Tiファイバ先端素子(長さ30 cm)の製作を行った。平滑化膜として、付着力に優れたシリコンアクリル樹脂を選択した。重ね塗りにより、可視波長帯での低損失化に成功した。 令和2年度は、光学膜内装銀太径中空Ni-Tiファイバ先端素子(長さ30 cm)の製作を行った。光学膜として、環状オレフィンポリマー(COP)を選択し、Er:YAGレーザ光、CO2レーザ光、可視パイロット光の伝送に適したCOP膜厚0.98μmの成膜に成功した。CO2レーザ光の伝送特性は、直線状態で0.7 dB、可視パイロット光(発振波長532 nm)の伝送特性は、直線状態で5.3 dBとなった。 令和3年度は、長尺化を図り、長さ90 cmの高機能太径中空Ni-Tiファイバの製作を図った。Er:YAGレーザ光の伝送特性は、直線状態で約6 dB、曲げ状態(曲げ角180°、曲げ半径15 mm)で約9 dBとなった。
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