2020 Fiscal Year Research-status Report
医療・介護用ロボット用の安価な力覚計測システムの開発と回診支援ロボットによる検証
Project/Area Number |
19K12834
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
大向 雅人 明石工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (70259901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 祐一朗 沼津工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00280389)
上 泰 明石工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (20413809)
田崎 良佑 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (70644467)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 感圧導電性ゴム / 加圧力推定 / ニューラルネットワーク / LSTM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,医療や介護等のロボットの実装コストダウンの一助となる安価な加圧力検出デバイスの開発を進めている.具体的には,パワーアシスト機能の実現に利用されている高価な6軸力覚センサの機能の代替ができるデバイスを,安価に入手できる感圧ゴム等の材料を利用して製作しようとする研究である.本研究の実現に向けては,加圧方向推定速度の改善とデバイスの小型化を主な課題であるが,デバイスの小型化は2019年度にある程度進捗が出たので,2020年度は加圧力推定方法についての研究を主に進めることとした. まず,推定を行う手段について,2019年度から視野に入れていたニューラルネットワークの利用を本格検討した.これまでの研究で取得済みのデータが多数あり,また,加圧実験のノウハウもたまっているため追加実験も支障なく進められることなどから,ニューラルネットワークによる推定器構築の可能性を主に探ることとした.ただし,ニューラルネットワークのモデルの候補が複数存在することから,次に,時系列データの扱いに適していると言われているリカレントニューラルネットワーク(RNN),Long-Short Term Memory(LSTM)のモデルで加圧力推定が可能であるかどうかを検証することとした.また,その結果,LSTMが高い正解率を出す傾向を確認した.さらに,識別器に与える最適な入力情報についての考察を行った.具体的には,加圧時に得られる時系列データに加え,その1階微分(速度情報),及び,2階微分(加速度情報)のデータを入力として追加し,正解率の変化を確認した.その結果,速度情報・加速度情報の双方を入力として追加することで正解率の上昇が確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デバイスの小型化はおおむね順調に実施できており,加圧力推定もニューラルネットワークに置き換えたが問題なく実施できる見込みがついているため
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Strategy for Future Research Activity |
RNNやLSTMによる加圧力推定の検証を通してニューラルネットワークを用いても当初のねらいが十分達成できること,学習が上手く進めばより高精度に加圧力推定ができる可能性があることを確認できたので,当初のオンライン同定を通じた加圧力推定手法の開発と並行して,ニューラルネットワークによる加圧力推定も進めていく.ここで,応答に加圧力に応じた特徴が大きく表れるのは,加圧力が変化した瞬間(現在は一定加圧による推定を行っているため,加圧が始まった瞬間)であると考えている.ニューラルネットワークには,過去の特徴的な情報を活用できるAttentionとよばれるモデルがあるため,ニューラルネットワークによる推定では,本モデルの活用を検討している.これらの研究から単体の感圧ゴムで加圧力の推定がある程度できるようになった後,目標とする力覚検出用の小型デバイスの試作と加圧方向推定の検証実験へと進んでいく予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染状況に起因する出張の見送りや学会のオンライン化により当初に計上していた出張旅費が不要となった.また同感染状況に対する対応などで当初の想定を超えた校務等が発生したことにより、次年度使用額が生じている. 繰り越し分は次年度支出予定分と合わせてでないとできないような執行計画を検討するなど,効率よく利用していく予定である.
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Research Products
(7 results)